私立大学の推薦入試は、11月~12月にかけて実施されます。医学部入試では「面接試験」が非常に重要視されています。これから数回に渡って「面接試験」についてお伝えします。

「面接試験」の現状
昔は、今ほど大学側も受験生も面接試験を重視していたようには思えません。受験生からも「面接試験」についての相談を受けたことがなかったように思います。面接試験については、それほど合否に大きな影響を与えるという認識は薄かったと思います。もちろん一般試験と比較すると、推薦入試やAO入試における面接試験の重要性が高いことは今も昔も同じです。
そして生徒は、英語や数学、理科などの教科のみに集中をしていました。
大学側にとって、一般試験で「面接試験」を行うということは、非常に多くの労力を必要とします。紙ベースの学科試験とは違い、絶対的な正解が存在しません。私立大などは志願者数が多く、当然「面接試験」対象者も多くなります。面接官のご負担やご苦労は並大抵のことではありません。
医学部入試の担当者と話をして感じるのは、ここ最近は、とても力を入れて面接試験を実施しているということです。特に推薦入試やAO入試は、志願者数も少ないので、1人あたりの受験生に対する面接試験に時間を割くことができます。
合否ラインの付近には、多くの受験生が集まっています。1点や2点の学科試験の良し悪しよりも、人物を優先したいと考える大学や面接官は多いと思います。
なぜ「面接試験」は重要になったのか?
それでも各大学で「面接試験」を重要視するようになったのには、いくつかの理由があります。
①「生命倫理」について、昔よりも医師に求められることが多くなりました。昔は、ただ成績がいいから最難関の医学部に入学する生徒も多くいました。ところが、今では大学側が将来、医師として「何をやりたいのか?」を求める時代となりました。学力だけではなく人格や資質も求められる時代となりました。
②例えば、医師から患者へ治療方針を説明する「インフォームド・コンセント」が一般的になり、医師には患者との意思疎通(コミュニケーション力)が必要となりました。また、「セカンド・オピニオン」が一般的になったりと、『患者を治せば良い』だけでは、医師として不十分な時代となりました。
③医学部が1学年の人数が100名前後と少なく、6年間は一緒に切磋琢磨して勉強をしなければなりません。また、卒業しても医師同士でのつながりは続きます。また、大きな手術では複数の医師が協力することもあるため、医師同士のコミュニケーション力も必要となります。
面接試験で不合格もあり得る
2014年度の京都大学医学部入試の面接試験で、ある生徒の面接試験の点数が50点満点中0点ということが、ネット上で話題となりました。また、数年前にも秋田大学医学部の前期・後期共に面接試験が、200点満点中0点の生徒のことが話題となりました。
これらは少し極端な例かも知れませんが、ここ数年「面接試験」の重要度が確実に増していることを感じています。
そして、合否に影響を及ぼすまでになっていることは確実です。
さて、「面接試験」につきましては、お伝えしたいことがたくさんあるため、今後、数回に分けてお伝えします。
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