面接試験の重要性(その3)に引き続き、今回はほぼ全ての面接試験で質問される内容についてお伝えします。
医学部「面接試験」で一番質問される内容
前回(その3)では、医学部の面接試験で問われる内容を大きく次の2つに分けました。
①ある程度の知識(主に医療関連)が必要で、そのうえで自分の考えを述べるもの
②一人ひとりの答が違うもの・正解がないもの
面接試験で頻繁に質問される内容で、合否に大きな影響を与える可能性の高いものは、②の内容だと思います。では、具体的にお話しします。
その質問はズバリ、次の2つです。
『本学志望の理由』と
『医師をめざす理由』
いわゆる志望動機にかかわる内容です。これに最近は『地域医療について』が増えてきました。
『本学志望の理由』は、面接試験を受ける大学が第一志望校ならば、自分の思いを存分に伝えればよいのですが、そうでない場合もあるかと思います。特に私立大学は複数校併願することも多く、地元から離れた大学を受験することもあります。また、合格しやすい大学を何校か受験することもあるかと思います。したがって、第1志望校ではない大学の面接試験のときには、注意が必要となります。
『医師をめざす理由』は、本当は、父親の病院を継ぐことが第一の理由だったり、将来、就職に困らなかったり、ただ単に成績が優秀だからという理由の人もいるかと思います。また、「父が地域の患者さんから、かかりつけ医として感謝されている姿を見て・・・」など、多くの受験生が答える典型的な例です。
他の受験生に差をつけて好印象を面接官に与えるためには、よく考えて面接試験に臨まなければなりません。では、どのようにすれば良いのか。まずは、一例として次のフォームの空欄に、自分自身の志望動機を当てはめてみましょう。
私は、……という理由から医師をめざしています。 そして、……という医師像を理想と考えています。 そのためには、……が必要と考えたため、 貴大学の……という特色に魅力を感じ志望するにいたりました。 |
空欄にうまく自分なりの考えを入れることができましたか?できなかった人は、じっくりと考えて面接官を満足させられるように準備しなければなりません。
模範解答をお伝えしたいと思い、私が過去に担当した生徒の中で、見事に合格した生徒(A君)の例を次にあげます。
私は、アジア・アフリカで貧困に苦しんでいる人々を救いたいという理由から医師をめざしています。 |
A君は最初はうまく自分の考えを伝えることができずにいましたが、最終的には上記のように、志望動機をまとめました。基本のフォームができれば、あとは様々なアレンジも可能で時間も調整できます。
その甲斐あって、A君は自治医科大学へも成績上位で合格しました。また、いくつかの私立大学にも合格をしました。学科試験の成績はボーダーラインを少し上回る程度でしたが、やはり面接試験で他の受験生を大きく引き離したと思います。
面接試験対策の授業を行っていて思うことは、最初は多くの生徒が、面接試験の要である『本学志望の理由』『医師をめざす理由』について返答ができないことが多いようです。メディカルラボの面接対策授業では、面接試験官を納得させられる一人ひとりの志望動機を考えていきます。
面接試験の重要性については、合計4回に渡りお伝えしました。
今後も、機会をみて2017年度入試の面接試験で質問されそうな内容や『地域医療について』などをお伝えする予定です。
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