(その1)では、面接試験が学科試験と同じくらい重要で、合否に影響を与えるものだということをお伝えしました。そして、推薦・AO入試では、面接試験が学科試験と同様に重視されます。
今回は、面接試験で求められることをお伝えします。
医学部「面接試験」で求められること
面接試験で必要とされる基本的なこと(入室・退室、着席、敬語の使い方、服装など)は、医学部入試だからといって特別なことはありません。他学部の面接試験や就職試験などで求められることと同じです。
しかし、医学部は特別な学部です。これは「医学部入学≒医師≒就職」だからだと思います。医学部は、医師としての資質や適性がない人にとって、せっかく難関を突破して医学部に入学しても、6年間の学生生活はつらいものとなります。
私立大学だと学費も高額です。卒業後に医師以外の職業を希望しても、就職試験に有利に働くとは限りません。
つまり面接官は、受験者の将来の医師としての姿まで判断しなければなりません。
下の表は、面接試験で求められることを体系的にまとめています。(ここでは、面接試験とよく似た「小論文試験」についても掲載しています)
「面接試験」では、表の上部にあるように「医療従事者としての適性」を判断されます。「思考力」「判断力」「推理力」「解決能力」は、医師だけでなく他の職業でも必要とされます。しかし、医師は患者さんの命にかかわる仕事です。手術中には、瞬時に様々な判断力が必要とされます。また、診察に訪れた患者さんを不安にしてはなりません。
併せて近年は、「コミュニケーション能力」「性格・人格」「言葉遣い・表現力」なども求められます。『インフォームド・コンセント』や『セカンド・オピニオン』が一般的となってきている現在、医師と患者さんとの間の意思疎通がとても重要になっています。
医学部は大学生活が最低6年間あります。その期間は先生や同級生、先輩、後輩とともに良好な関係を持って、切磋琢磨しなければなりません。卒業後の母校とのつながりも大切です。
そのようなこともあり、私立大学の中には、一定期間、寮生活を送らなければならない大学があります。岩手医科大学・自治医科大学・順天堂大学・昭和大学・川崎医科大学が寮生活を必須としています。
次回は、面接試験で、面接官から「具体的に質問される内容」についてお伝えします。
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