保護者が受験生の頃の医学部入試とは違うこととして、医学部が非常に難しくなったことは先日お伝えしました。その他に違うこととして、「面接試験」があります。
『面接試験』で不合格?
1、『面接試験』の配点はどのくらいか?
「面接試験」は学科試験とは違って、対策が非常に立てにくいと思います。そして、最近は面接試験を重要視する大学が多くなりました。
学科試験では合格最低点を上回っているのに、「面接試験」で不合格となる受験生が頻出するようになりました。受験した大学を不合格になった場合に、大学に成績開示を請求すれば、試験で自分が何点だったのかがわかります。多くの大学が合格最低点を公表しているので、学科試験が原因なのか面接試験(小論文試験)が原因なのか、不合格の理由が推測できる場合もあります。
参考までに、下の表は東北地方の前期個別試験の配点です。ご覧いただければわかる通り「面接試験」の配点が非常に高いです。地元の弘前大学を見ると、英語や数学の配点と面接試験の配点が同じ300点です。つまり、学科試験で高得点を取っても「面接試験」で上手く得点できなければ不合格となる可能性があるということです。
英語 | 数学 | 理科 | 面接 | |
弘前 | 300 | 300 | なし | 300 |
東北 | 250 | 250 | 250 | 200 |
秋田 | 100 | 100 | なし | 200 |
山形 | 100 | 200 | 200 | 60 |
山形大は、国語(100点)も課せられる。また、面接試験はの点数化は「地域枠」のみ。
2、大学ごとに様々な形式・内容で実施される面接試験
医学部入試で「面接試験」を課すのは、九州大学を除く全ての大学となりました。医師は人の生命にかかわる仕事に携わるため、医療人としてふさわしいかを大学側が見極める必要があり、また近年は、チーム医療やインフォームドコンセント、ガンの告知など、以前よりも生命倫理やコミュニケーション能力などが必要とされるようになりました。
「面接試験」の対策は、過去の面接試験でどのような形式や質問内容だったかを調べて、本番に合わせて模擬面接を行うことです。「個人面接」「集団面接」「集団討論」など大学によって形式が違うので注意が必要です。また、最近はMMI方式(multiple mini interview)という形式で面接試験を行う大学もあります。
質問内容も、「医学部の志望動機」や「高校生活」などの一般的な内容から、「医療」や「時事問題」にかかわるものまで、大学によって様々な特徴があります。
関東や関西など大都市圏の医学部志望者は、「面接試験」の重要性を理解しており、その対策を高校や予備校で十分に行ってから本番の面接試験に臨んでいる受験生が多いようです。
学科試験ももちろん大切ですが、「面接試験」についても、どのように対策を行うのか考えておきましょう。