今回は前々回に『医学部人気の理由は?』でお伝えした「女子の医学部志望者の増加」についてです。実は女子の志願者が増加することは、医学部入試に大きな影響を与えています。
女子の医学部志願者の増加の実態
1、意外に多い女子の医学部進出!
「男女共同参画」「一億総活躍社会」などの後押しもあり、医学部を志望する女子が増加しています。下表は、2016年度女子の医学部医学科の入学者比率が40%を超えている大学です。
女子が医師をめざす理由について、多くの志願者と話をしていると、多くの女子が第一には「人の役に立ちたい」と考えているようです。
女子でも専門職として活躍できて、定年もなく、就職・再就職も比較的容易なことを考えると、女子の医学部志願者が増加することについては納得がいきます。
◆2016年度入試で女子の入学者割合が40%以上の大学
国公立大学医学部医学科 佐賀大(52%)、愛媛大(45%)、弘前大(44%)、浜松医科大(43%)、旭川医科大・滋賀医科大(40%) |
私立大学医学部医学科 東京女子医科大(100%)、愛知医科大(45%)、産業医科大(44%)、金沢医科大(43%)、聖マリアンナ医科大(40%) |
考えてみれば、人間の約半数は女性です。同性同士の方が心安らかに緊張せず診察を受けられると感じる人も多いかと思います。女性ならば、産科や小児科、婦人科、また、心療内科なども、女性の先生を希望する患者も多いのではないでしょうか。
2.女子の志願者増加で何が起こるのか?
まずは、すべての医学部で志願者倍率がアップします。
一般的には女子の方が、目標に向かってコツコツと勉強をしているイメージがあります。そのためなのか、男女共学の高校の先生と話をすると、近年は女子生徒が校内成績の上位を占める割合が高くなってきたと話してくれます。
このことは、各大学のボーダーラインアップにつながります。
近年の医学部が難しくなった要因の1つは、女子の医学部志願者が増加したことに理由があります。
3.女子の医学部志願者が注意すべきことは?
医学部生を医師にするのにかかる金額は、1人約1億円といわれています。学費では足りない額を、国からの税金で賄っています。医師になるということは、医師になってから少なくとも税金分だけでも恩返しをしなければならないということです。
女子の場合は、結婚や出産、子育や体力の問題もあります。女性の医師の多くが「結婚したから、医師は辞めた!」では困ります。それならば、男子を合格させた方が良かったとなります。
そこで近年、ますます重要視されてきた「面接」試験がポイントとなります。面接試験では、ダイレクトに結婚や出産、体力について質問する面接官もいます。直接ではないかもしれませんが、「いくつ(年齢)まで医師を続けるのか」や「女性が医師になることについてどう思うか」などで、これらに関する意思を確かめる面接官もいます。
よって女子が医学部の面接試験を受ける際は、結婚や出産などを質問されてもよいように、考えをまとめておかなければなりません。
大学側も入学した女子学生に、できる限り長く医師を続けて世の中のためになって欲しいと考えています。
さあ、医学部をめざして頑張りましょう!