前回は、「医学部進学を選択することが正解なのか」を考えてみました。今回は、医学部の人気にスポットを当ててみます。
医学部人気の背景を探る!
1、ここ10数年の医学部人気の理由
昔から医学部は人気がある学部の1つでした。成績が良ければ、東大・京大や旧帝大などの難関大学とならんで、理系学部としては医学部を考える人が多くいました。
ここ10数年前から続く医学部人気は、次のような理由ではないかと考えています。
①深刻な医師不足、地域枠入試の拡大
②医師になって社会貢献したい人の増加
③名門高校の「東大・京大」離れと医学部へのシフト
④女子の医学部志望者の増加
⑤1970年代にたくさん新設された医学部入学世代の子供が受験期に
⑥私大医学部の学費減額と奨学金制度の充実
⑦歯学部志望者の激減
前回もお伝えした通り、昔は大企業に入れば年功序列・終身雇用・高収入が約束されていて、親を含めて身近にロールモデルとなる人が存在していましたが、もはや幻想となりました。弁護士をはじめとする仕事も、資格を所持しているだけで生活できるという時代ではなくなりました。
④の女子の医学部志願者の増加については、医師という仕事は「一億総活躍社会」「男女共同参画」など国が進める政策に、最も女子がフィットする仕事でないかと思います。佐賀大学医学部など、女子の入学比率が50%を超えている大学もあります。
⑥の私大医学部の学費に関しては、全体的に学費が下がってきており、裕福なサラリーマン家庭ならば開業医の子供でなくても通える大学もあります。また、地域枠入学を前提として奨学金を給付・貸与する大学も年々増加しています。
このような理由が複合的に重なって、医学部人気を作り出しています。
2、医学部人気は、今後、どのくらい続くのか?
今の人気が今後、どのくらい続くのかはわかりません。前回の「医学部進学を選択することは正解なのか」で、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン先生が書いた「雇用の未来」をご紹介しましたが、医療関係の仕事は簡単には無くなりそうもありません。
医師は難関試験(入試と医師国家試験)を勝ち抜いた資格で、超高齢社会が進む中で他の職業よりも確実に需要があり、またやりがいのある職業で、これまで以上に今後も人気は継続すると思います。
さあ、医学部をめざして頑張りましょう!