3月23日現在でメディカルラボが把握している私立大学医学部医学科の入試結果をお伝えします。
前回「その①」に続いて、今回は大学ごと取り上げます。
私立大学医学部の志願者数は減少 その②(3/23現在)
※2018年3月23日時点で、志願者数を公表している大学と同大学の昨年の志願者数との比較です。一般前期入試は、31大学中、16大学が公表しており、これを集計しています。
[私立大学・一般入試で特徴的な動きのあった大学]3/23時点公表されている16大学で分析。
東北医科薬科大学は、今年3回目の入試を実施しました。設立の趣旨の1つが、「東北地方の医療を支える」ことで、修学資金制度の充実なども影響して、開設当初は話題を集め、東日本を中心に全国から志願者を集めましたが、少しずつ落ち着いてきました。2018年度の志願者は前年比約84%となりました。
同じく今年2年目の入試を実施した国際医療福祉大学は、志願者が前年比約91%と減少しました。理由の1つは、試験日を約1週間早く実施しました。1次試験日がセンター試験終了の翌々日で、私立大学医学部の最初でした。特に試験会場から離れた場所に住んでいる受験生は、敬遠したのではないでしょうか。
獨協医科大学は、1次試験の実施会場を本学(栃木県)以外で、東京都内に新設したために、交通の利便性が影響して志願者が増加しました。
日本大学は、「A方式」(医学部医学科単独入試)と「N方式」(複数学部併願可能)の2種類の方式で試験を実施します。2018年度は、「N方式」で定員を7名増やして計10名にしたことで、志願者が約2.6倍に増加しました。
東海大学は、志願者数を非常に多く集める大学ですが、2017年度は2月3日実施の1次試験で、昨年は他大学と重複しない単独実施でしたが、2018年度は同じ関東の東京医科大学と重複したために志願者数が約1500人減少しました。それでも志願者倍率は73倍と非常に高いです。
[センター試験利用] 3/23時点で公表されている17大学中8大学で分析
前年比114%と増加しています。一般入試では志願者を減らした国際医療福祉大学や東海大学、近畿大学でも、センター利用入試では大幅に志願者を増やしました。国公立大学との併願者の増加が考えられます。
前述のように私立大学の志願者数は、3月23日現在で31大学中16大学のみ公表しています。最終的にはどのようになるのかは不明です。
また、私立大学医学部は、多くの受験生が複数校併願を行うために、3月末まで補欠繰上げ合格が行われます。
ここで取り上げていない大学で、トピックスなど判明したら、この「医学部受験道」や夏に開催する「医学部入試ガイダンス」や「メルマガ」「医学部受験ラボ」などでお伝えする予定です。