国公立大学は、既に各大学ともに志願者数を公表しています。志願者数からみた2018年度の医学部入試の結果を分析してみます。
国公立大学医学部の志願者数は減少 その②
国公立大学の志願者数は、前年比約95%となり、昨年を下回りました。
[大きく志願者数が変動した国公立大学]
入試科目や選抜方法を変更すると志願者動向に影響を与えます。2018年度はこれらを大きく変更した大学は少なかったです。
そんな中で、浜松医科大学は、前期4倍で2段階選抜を導入しましたが、関東を含めた近隣の地区で、これまで2段階選抜を実施していなかった大学が浜松医科大学以外はほとんどなかったため、センター試験で思うように得点できなかった受験生の出願先になっていました。この「4倍」という数値は他大学と比較してもハードルが高いと思います。その結果、志願者数は前年比約68%と減少しました。
鳥取大学は前期個別試験で理科2科目を追加して負担増となりましたが、このような場合、多くは一時的に志願者が減少します。しかし今回は前年比148%と大きく増加しました。考えられることとして、中国地方の医学部を見ると、2017年度の志願者倍率は、山口大学9.2倍、広島大学8.0倍、島根大学6.1倍など、全国平均よりも高いです。岡山大学は3.6倍と低いのですが、ここはほぼ旧帝大並みの最難関校なので、毎年、志願者はほぼ一定です。鳥取大学の理科2科目追加は、現浪差のつきやすい高卒生を中心に志願者増に寄与した可能性があり、2017年度の志願者倍率と科目変更とが相まった結果だと思います。
山口大学も前期2次試験で理科1科目から2科目に変更し、2段階選抜を7倍で導入しました。その結果、志願者は前年比61%と大きく減少しました。
原因として考えられることは、2017年度の志願者が多かったことの反動と2段階選抜を新規導入したことだと思います。
熊本大学は、2018年度のセンター試験から、生物が必須では無くなりました。そのため、模試や自己採点後の出願予定者の動向などから、志願者の増加が予想されていましたが、そのことで敬遠した受験生が多かったため志願者は前年比約58%と激減しました。
上記以外の志願者の増減に関して、国公立大学は旧帝大を中心とした難関大学を除いて、志願者数は前年度の反動や隔年現象(1年ごとに志願者数の増減を繰り返すこと)が起こります。その辺りも理解をして、出願校を決めなければなりません。
ここで取り上げていない大学で、トピックスなど判明したら、この「医学部受験道」や夏に開催する「医学部入試ガイダンス」や「メルマガ」「医学部受験ラボ」などでお伝えする予定です。