医学部入試の特徴は他学部にはない「面接試験」や「小論文試験」が試験科目にあることです。
『入試に出る医系用語』では、その時々に新聞やテレビなどで取り上げられた医系用語を中心に取り上げます。
健康増進法と受動喫煙防止対策
1、日本の受動喫煙対策は遅れているのか?
健康増進法は「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ること」を目的として、平成14年に参議院で可決されました。
その中の第25条で、「多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と記載されています。
喫煙と肺がんの相関性はある程度は認められているようですが、愛煙家がリスクを納得した上での「タバコを吸う権利」を奪うことはできません。
しかしながら、受動喫煙による健康被害はたまったものではありません。このおかげで、ガンになったり気分を害さないためにも、「他の人が吸ったタバコの煙を吸わない権利」も必要ということが、受動喫煙対策が必要ということにつながりました。
厚労省は飲食店を全て原則禁煙にしたいようですが、飲食業界から売上減少につながる可能性があるため、全面禁煙への反発も多いようです。
2、面接試験や小論文試験で「受動喫煙」について問われることはあるのか?
医療費の膨張に関しては、高齢者医療の問題と含めて幾つかの大学で質問されています。
また、久留米大学の面接試験では過去には「タバコを吸いますか?」と直接質問されるようです。久留米大学では、平成25年4月からすべての校地において敷地内を全面禁煙としたことによるものだと思います。つまり大学側は受験に際して「敷地内を全面禁煙」ということくらい把握していて欲しいということのあらわれだと思います。
2020年には東京オリンピックも開催されます。また、4月にWHOの幹部が来日して「日本は受動喫煙に対して時代遅れ」との発言もあったようです。
将来、医師をめざす受験生にとっては、予防医学や医療費削減の観点からも、受動喫煙を防止する観点から意見を述べる必要があるでしょう。ただし、喫煙することで仕事が格段に効率よく進んだり、ストレス発散につながる人もいることを考えると、分煙室の設置や電子タバコなど技術革新を推進することも必要だと思います。また、歩きたばこや路上喫煙を禁止している街や場所も多くあり、屋外では全面禁煙を支持する人も多くいます。
このあたりのことも含めて「健康増進法」「受動喫煙防止対策」について、自分の考えをまとめておきましょう。
昔は、飛行機内でも普通にタバコを吸うことができました。全座席の肘掛けには小さな灰皿がついていたのを覚えています。わずか20年くらい前のことです。これから徐々に、「受動喫煙」に対する考え方も変わってくるのではないでしょうか。
さあ、医学部をめざして頑張りましょう!