「私立大医学部は学費が高いので、子供は国公立大しか考えられない!」と考えている保護者の方はいらっしゃいませんか?
前回は、医学部の学費について、国立大学と私立大学の違いをお伝えしました。
国公立大より安い、私立大医学部の学費とは?
(その1)では、医学部の6年間の学費は国立大学で約350万円、私立大学で平均約3,400万円と高額だということをお伝えしました。前回(その2)では、奨学金が支給される「地域枠」についてお話ししました。
今回は、もう少し具体的にお伝えします。
私立大学の中には、6年間の学費が免除され、かつ毎月の生活費が支給される大学があります。
代表的な大学としては杏林大学や、順天堂大学、東京慈恵会医科大学などがあります。
杏林大学は、6年間修学費3,700万円に加えて、生活費720万円(毎月10万円)が奨学金として支給されます。正式には「貸与」となりますが、「医師国家試験」合格後、直ちに大学在学期間の1.5倍の期間(通常は9年)、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、医師として、東京都が指定する医療機関に従事」することで奨学金の返還が免除されます。定員は10名です。(2016年度実績)
6年間学費全額と言わなくても、数百万~一千万を超える額の奨学金を支給する大学が多くあります。「2016年度用全国医学部最新受験情報」(時事通信社刊)に一覧表がありますので、ココをご覧ください。
なぜ、返還免除になる奨学金を支給するかというと、医師不足や診療科偏在などによる地域の医師確保のために、大学が所在する都道府県などが、大学と協力をして学費を出すことにより医師不足などの解消を図ろうとしているからです。
通常の入試区分は「一般入試」や「推薦入試」「AO入試」の中に『地域枠』が設定されます。出願する場合は、出身高校や居住地の制限がある場合が多いでようです。上で述べた杏林大学の場合は、「東京都内に住所を有する者」あるいは「東京都内の高等学校等を卒業・卒業見込の者」などの制限があります。
興味を持った保護者もいらっしゃるかと思います。以下注意点です。
①奨学金や修学資金など大学により名称が違う。
②大学、都道府県が指定する医療機関に従事する年数は大学により異なる。
③出願に際して出身高校や居住地などの制限がある場合もある。
奨学金の額が大きな大学は人気が集まります。経済的に余裕がないご家庭でも大学に通うことができるため、ボーダーラインは一般入試よりも高くなります。非常に魅力的な入試方式だと思います。
2017年度の奨学金や学費などの詳細な情報は、秋以降に各大学より発行される募集要項や大学ホームページをご覧ください。
メディカルラボの夏期講習
「この夏、医学部受験対策を本格的に!」という受験生には、メディカルラボの完全個別授業がお薦めです。個別授業で、学習したい科目や分野に絞って授業を受講できます。高校の夏期補習や部活動の状況を配慮して、授業スケジュールを作成します。
詳しくは、メディカルラボのホームページをご覧ください。