昔から「夏を制するものは、受験を制す」と言われています。受験生にとって夏休みは、1年のうちで自由に使える時間を一番確保できる期間だと思います。
高3生の夏休み、何に注意して勉強をするのか?
前々回に「2020年度の医学部入試はどうなる?センター試験が最後の年」でお伝えした通り、高3生と浪人生は、可能な限り来春の入試で医学部合格を勝ち取りたいと考えているのではないでしょうか!
そこで大切になるのが、夏休みの勉強です。100%とは言い切れませんが、夏休みの過ごし方が来春の合否に大きく影響を与えます。
具体的には、次の4つを意識した受験勉強をする必要があります。
①苦手科目・苦手分野の克服
②志望校の過去問を1ヶ年分だけ解いてみる
③数学と理科の出題範囲を一通り学習しておく
④推薦入試・AO入試の対策
①の「苦手科目・苦手分野の克服」が大切なことは、皆さんもご存じだと思います。志望校の試験科目に「苦手科目」があると、ハイレベルの受験生が多い医学部入試では、非常に合格率が下がります。今回は、これ以外のことについてお伝えします。
「②志望校の過去問を1ヶ年分だけ解いてみる」について、少し解説を加えてご説明します。
志望校の過去問を1ヶ年分だけ解いてみる
夏休みの学習計画を立てる際に、お薦めしていることがあります。それは、志望大学の過去問を1ヶ年分だけ解いてみるということです。これにより何がわかるのかというと、その大学について科目別に次のことがわかります。
①問題の難易度
②試験時間に対する問題の分量
③解答形式(マーク形式・記述形式・論述形式など)
④出題傾向・出題内容
⑤科目別の配点比率
例えば、A大学の英語は標準レベルの難易度ですが、試験時間が短くて問題量が非常に多く、発音問題が大問で出題されているとすれば、この夏に英語の勉強として意識してやるべきことが決まります。数学は、数学Ⅲからの出題が約70%に及ぶ場合には、夏休み中に数学Ⅲの学習を終えておくことが得策です。
科目別の配点比率も注意が必要です。すべての比率が同じ大学もありますが、順天堂大学のように、英語だけ配点比率が高い大学もあります。
このように、大学により違う入試問題の特徴を早い時期に把握することで、夏休みの学習計画が立てやすくなります。特に私立大学や国公立大学で医学部独自の入試問題を出題する場合には、過去問の出題傾向を知ることは非常に重要です。
学習計画を全く立てずに勉強をすると、無駄な勉強に時間を費やしたり、自分の好きな科目に比重をかけ過ぎることがよくあります。そのためにも、過去問を1ヶ年分だけ解いてみることは、とても大切です。
もしこの段階で解答できなくても、落胆する必要はありません。「これから入試本番までに、合格点を取れるように勉強をすればよい」と考えましょう。
実際に過去問に集中して勉強するには、ある程度、学力が身についてからが良いと思います。もし数学が得意で、現段階で数学Ⅲまでの学習を終えている場合は、早めに過去問対策を完成させても良いかと思います。
次回(その2)では、「数学と理科の出題範囲を一通り学習しておく」についてお伝えします。
メディカルラボの夏期講習
「苦手科目・苦手分野の克服」には、メディカルラボの夏期講習がお薦めです。個別授業で、苦手な科目や分野に絞って授業を受講できます。高校の夏補習や部活動の状況を考慮して、授業スケジュールを作成します。
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