2021年度入試は全て終了しました。コロナ禍での受験を迎えたことと、大学入試改革初年度という2つの大きなことが受験生を直撃しました。
今回は、既に確定をしている志願者数から、私立大学の動向について考えてみます。
私立大学の医学部志願者数は減少
3/1現在で私立大学全31大学中、18大学が志願者数を公表しています。
その集計結果が次の表です。
私立大学は、複数校の併願が可能です。よってこの表の志願者数はのべ人数です。いずれにしても、2021年度の志願者数は大きく減少をしました。この原因は、コロナ禍において、例年よりも併願する医学部の受験校数が減ったことが影響をしていると思います。私立大学の中には、大学の所在する都府県以外では入学試験を実施しない医学部もあります。地方在住の人が、コロナウイルスの感染が拡大していた東京でしか入学試験を実施しない医学部受験を避けるなど、2021年度はとても特殊な状況下での入試となりました。
大学ごとの志願者数
判明している大学の志願者数と動向を下記にまとめています。
志願者数が増加した大学の特徴
全体の志願者数は前年比94%で減少しましたが、増加した大学もあります。増加した大学の特徴は2つあります。
①2020年度よりも、他大学との1次試験の重複数が減少
②1次試験を大学所在の都府県以外の複数会場設定
東北医科薬科大学は、1次試験が単独実施になり、また、全国4都道府県で1次試験を実施しました。獨協医科大学は、1次試験を2日程で設定しました。国際医療福祉大学も1次試験を全国4都府県で実施。日本大学のN方式も、全国20都道府県で実施しました。
志願者数が減少した大学の特徴
志願者数が減少した大学の特徴は、次の通りです。
①2020年度よりも、他大学との1次試験の重複数が増加
②1次試験が大学の所在する都府県のみで実施
東京医科大学は、1次試験の重複数が増加して、東京のみで実施。関東の大学は、2次試験まで考慮をすると、地方の人が受験を取りやめるケースが多かったと思います。慶應義塾大学は東日本の最難関で、大阪医科大学は西日本の最難関で、いずれの大学も前年度までは、チャレンジ受験をした人も多かったと思いますが、今年度はそのような受験生が減少したと思います。
2022年度の私立大学の動向
今年度は、コロナ禍という特殊な環境での受験校選択となりました。前々回のblogでもお話しした通り、2022年度以降、ますます医学部人気は上がると思います。
今年度は、コロナ禍という特殊な環境の中での受験校選択となりましたが、コロナウイルスの感染が収束をすれば、私立大学を併願する数は増加して、難化をすると思います。