最難関の医学部入試。現役合格を成し遂げるためには、どのような勉強をしたらよいのでしょうか。
数回に渡って現役合格するための秘訣をお伝えします。
どのように勉強をすれば現役合格は可能か?
前回の「その①」では、医学部の現役合格率についてお伝えしました。ここでは、国公立大学は現役合格率が高く、私立大学は逆の状況であることをお伝えしました。
では、どのように勉強をすれば、現役合格に近づくのでしょうか。
下の表は講演会などで主に高校生対象にお話しをする場合に使用する資料です。
高校生活3年間で、このように勉強をすれば現役合格の可能性が高くなるモデルパターンです。
それでは簡単に、この表の内容をご説明します。
高1・2生は何を意識して勉強をすればよいのか?
①英語と数学の学習に比重を置く。
両科目ともに、積み重ねが必要な教科です。例えば数学Ⅲで出題される問題は、高2までに学習した内容(三角関数、指数・対数、図形、数列など)を絡めたものがほとんどです。
また、国公立大学2次試験では、試験科目に占める英語と数学の配点比率が他の科目よりも高い大学が圧倒的に多く、私立大学も半数が同じような状況です。これに関しては、また別の機会に詳しくお話しします。
したがって、苦手分野はできる限り早く対処することが大切です。もちろん、苦手科目はつくらないようにしましょう。高1生になって初めて高校の英語や数学を勉強する場合に、中学までの内容と大きく変わるため、すぐに苦手意識を持ってしまうことがありますので要注意です。
②理科は基礎力の定着を徹底する。
医学部受験の場合には、理科は物理・化学・生物から2科目選択となります。高1や高2から受験を意識して理科に力を入れる人がいますが、上で述べた通り高1生と高2生は英語と数学に力を入れなければなりません。
高校の授業を中心にしっかりと勉強を行い、夏休みや冬休みに予備校の講習などで学習内容の確認をすることで、高3生から、一気に受験を意識した理科の勉強に取りかかれます。
ただし、物理や化学、生物を苦手科目にしないことです。しかしながら、受験するときは2科目選択なので、苦手な1科目を受験科目から外すことができます。
③国語・地歴公民は高校の授業中心に学習する。
国公立大学の医学部をめざす多くの受験生は、センター試験でのみ国語や地歴公民が必要になります。
(2次試験で国語が必要となる大学は、東大・京大・名古屋大・山形大のみ)
センター試験のすべての科目に言えることですが、難問奇問を排除した良質な問題が出題されます。まずは基本的な学力が身についているかを判断するものです。
つまり、高校で学習する普段の勉強をおろそかにしなければよいということです。
実際に国公立大学医学部を断念する場合に、国語がネックとなる場合が多々あります。古文や漢文を高3から、あるいは浪人してから本格的に開始することはお勧めできません。英語、数学、理科に時間を割かなければならないためです。もし、高1、高2の段階で苦手と感じたならば、その時々で予備校に通うなど、できる限り早く対策を講じなければなりません。
私立大学医学部の場合でも、推薦入試での受験を考えている場合には、評定平均のことも考えておく必要があるため、国語や地歴公民の成績も大切です。また、センター試験を利用して受験可能な私立大学医学部の受験にも国語や地歴公民が必要となる大学もあります。
受験生となる高3生からはどのように勉強をしたらよいのか?
高3生からは受験を意識して、効率よく勉強をしなければなりません。そのために、まず最初に考えるべきことがあります。そのことについては、次回「その③」でお伝えします。