最難関の医学部入試。現役合格を成し遂げるためには、どのような勉強をしたらよいのでしょうか。
数回に渡って現役合格するための秘訣をお伝えします。
現役合格率はどのくらいなのか?
そもそも、医学部には現役でどのくらい合格しているのでしょうか?
[表1]は、1年前の2015年度入試・国公立大医学部医学科のデータです。合格者が現役なのか何年浪人したのかを示していますが、何らかの理由があるのか、公表しない大学が多いものです。ここでは、全国いくつかの大学をリストアップしています。
国公立大学の医学部は、現役と1浪の合格率を合計すると多くの大学で約70%となります。多浪(医学部では3浪以上)になると、合格率が著しく下がります。つまり、現役で合格をするくらいの覚悟がなければ、国公立大学への合格は難しいかもしれません。
[表1] 「区分」 A:総合格者 C:入学者
一方、私立大学では[表2]の通り、その状況が国公立大学とは大きく違います。現役での合格が著しく低いことが分かるかと思います。大学によっては3浪以上が約半数を占める大学もあります。慶應義塾大学のなどの難関私立大は、難関国公立大学との併願者が多く、そのために現役合格率が高いのです。東京慈恵会医科大学なども同じような理由で現役合格率が高くなっています。
では、なぜ多くの私立大学では現役合格率が低いのでしょうか?主な原因は、国公立大学の入試問題と私立大学とを比較すると、私立大学の問題は教科書に掲載されていない内容や解答時間に対して問題分量が著しく多いなど、大学ごとに特徴のある出題をする傾向があるからです。そして、高得点を取らなければ合格できないために、現役生にとっては、私立大学医学部の合格率は低くなります。
これに対して国公立大学の入試問題は、高校の授業で習った内容、つまり文部科学省検定済の教科書の中から忠実に出題されます。一部の大学を除いては、ある意味で、どこの大学も似通った出題と言ってよいかもしれません。このために、国公立大の医学部には合格したけれど、私立大の医学部に不合格だったということがよくあります。
[表2] 「区分」 A:総合格者 B:正規合格者 C:入学者
どのように勉強をすれば現役合格は可能か?
現役での合格率をご理解いただいた上で、現役合格を達成するためにはどのように勉強をすればよいのかを、次回「その②」でお伝えします。