医学部合格ストーリー | 医学部受験ラボ

スタートが遅くても関係ない!――自分の気持ちに正直に

作成者: 医学部受験ラボ|2020年03月16日

苦手科目の克服 / 医者を目指したきっかけ / 受験生にアドバイス / 周囲のサポート / 現役合格 / 現役生の勉強法

関西医科大学2年生 K.Kさん
現役で一般合格

どうして、自分は医学部を目指すのか。受験生活の不安とどのように向き合うのか。見事、合格を勝ち取った現役医大生に、医学部への思いや不安との向き合い方を聞き、合格までの軌跡を辿る連載シリーズ「合格ストーリー」。今回お話を伺ったのは、現役で関西医科大学の医学部に合格されたK.Kさん。高校時代、周りの優秀さに萎縮してなかなか医学部を目指す決意ができなかったKさん。自分の気持ちに正直になり、センター直前で医学部を本格的に目指し始めたそう。そこからの怒涛の現役合格劇をお聞きしてきました!

最初に、医師を目指したきっかけを教えてください。

父親が今は教師をやっているんですけど、昔医者を目指して頑張っていたらしく、また母親も薬剤師になる夢を諦めたことがあって、幼少期からその話を聞かされていたので、漠然と「医療職ってすごいんだな」と思っていました。

また、僕の祖父が世界一周旅行をしている時に、脳梗塞になって、緊急帰国して東京の病院に入院したことがあったんです。一命は取り留めたんですが、半身不随で寝たきりになってしまいました。両親が共働きで、子どもの時から祖父母にずっとお世話になっていて、自分を世話してくれた祖父を一生懸命お世話してくれている医者や看護師の方を見た時に、輝いて見えたんです。

この2つがずっと印象に残っていて、高校受験の時からなんとなく医者になりたいと思うようになりました。

受験の結果はどうだったんですか?

センター本番では、83%しか取れませんでした。その点数で合格した実績のある国公立医学部を徹底的に探して、ダメ元で富山大学を受けたんですけど、結果は不合格。結局、センター試験がいらない関西医科大学のみ受けて、奇跡的に関西医科大学に合格することができました。

関西医科大学に合格できた要因は何だったと思いますか?

高校の成績は学年で真ん中くらいでした。当時の僕は、医者になる覚悟を持てずフラフラしていたんですけど、周りが夢に向かって熱を持って勉強するような友人ばかりだったんです。そういう環境に引っ張られて、勉強は頑張っていました。「友達に置いてかれたくない」という気持ちが強かったんです。それで基礎学力はついていたので、なんとかひっかかったんだと思います。

苦手科目の勉強法を教えてください。

周りの友達と比べたら、得意科目なんてなくて、全部苦手だったと言ってもいいくらいです。

地理も国語も周りの優秀な友達に教えてもらっていました。問題を解く際にどこに着目すべきかを、自分と友達を比較して、参考にしたんです。学力が高い人の解き方をひたすら聞いて、それを真似しました。

「この問題ってこうなっているからこう解くんじゃないの」「いやいやこういう問題はこう見るんだよ」というコミュニケーションをとにかく多く取って、吸収して、実践しました。それで苦手を克服してきましたね。

浪人をするという選択肢があった上で、今の大学を選択された理由を教えてください。

親の方針で、国公立大学を目指すよう言われていたので、私立の中で学費が安い関西医科大学だけしか受けてはいけませんでした。関西医科大学は家から電車で10分で、下宿する必要もないので、あまりお金がかからないので、挑戦させてもらえました。

浪人したとしても、国公立に合格するまで成績が伸びる保証もないし、リスクもある。「せっかく合格をもらってチャンスがあるんだし」と思い、進学することに決めました。

合格の瞬間を覚えていますか?

僕補欠合格だったんです。学校の図書館で自習している時に、スマホで結果を見たら、補欠にかかっていました。本番は手応えがなくて、絶対落ちたと思っていたので、何度見もしましたね(笑)。その後に国公立を受けて、落ちて、3月に繰り上げ合格の電話を待っていました。電話がかかってきた時は、衝撃すぎて無口になりました。人間って驚きすぎると、一回全ての機能が止まるんですね(笑)。

ご家族のサポートは感じましたか?

共働きだったので、元々顔をあわせる機会が昔から少なくて、受験期も変わらずでした。昔はかまってもらえなくて寂しかったんですけど、よくよく考えたら顔を見れないくらい働いているってことなんですね。僕を養うために働いてくれているんです。受験期にそのことに気づけて、とても感謝するようになりました。それに気づけただけで、受験をする価値はあったと思います。また、教師である父親とたまに話す機会があると、進路についての話をしてくれて、とてもためになりました。

受験勉強を終えてみての感想はありますか?

受験勉強は正直全く楽しくなかったです。「浪人覚悟で現役は練習」と思っていても、やっぱり学力は上げたいし、合格もしたかった。正直、生きている心地がしなかったです。

たまたま現役で引っかかっただけで「浪人したらどこまで学力は伸びていたんだろうな」と、正直今でもたまに考えてしまいます。でも今の大学生活には満足しているので、現役で合格できて良かったです。

最後に受験生へメッセージをお願いします。

自分に嘘はつかないでください。僕はずっと医者になりたいって思いつつも「周りに言ったら恥ずかしい」や「成績が追いついていない」と言い訳をしていました。自分は将来何をしたいか、何を目指したいかを考えて、出てきた結論に正直になってください。自分で選んだ道をまっすぐ突き進んでいってほしいと思います。