医学部合格ストーリー | 医学部受験ラボ

優先順位付けで効率よく学力を上げる「トリアージ勉強法」で掴んだ現役合格

作成者: 医学部受験ラボ|2020年03月11日

2次試験対策 / 独自の勉強法 / 医師を目指したきっかけ / スポーツドクター / 受験生にアドバイス / 家族のサポート / 現役合格

関西圏の国公立大学5年生 S.Kさん
現役で一般合格

どうして、自分は医学部を目指すのか。受験生活の不安とどのように向き合うのか。見事、合格を勝ち取った現役医大生に、医学部への思いや不安との向き合い方を聞き、合格までの軌跡を辿る連載シリーズ「合格ストーリー」。今回お話を伺ったのは、現役で関西圏の国公立大学の医学部に合格されたS.Kさん。幼少期からずっと頑張ってきた水泳の道を諦め、スポーツドクターを目指し医学部受験を決めたSさん。苦手な数学に苦しみながらも、独自の勉強法で現役合格を果たしました。その独自の勉強法とは…?効率的に勉強を進めたい受験生は必見です!

まず最初に医者を目指したきっかけを教えてください。

物心ついた時から水泳をずっとやっていました。小学校5年生の時に膝を痛め、診てくれた先生が、プロのフィギュアスケーターや女子サッカーのチームドクターをされているようなすごい方だったんです。その先生にお世話になる中で漠然と、スポーツドクターに憧れを持ちました。

高校1年生の時に、県選抜のセレクションに落ちた時に、帰り道で水泳の推薦で進学した友達と「私たち将来どうなるんだろう」という話をしたのを覚えています。その時に、昔憧れたスポーツドクターの道を本気で目指すことに決め、1年生の終わりには水泳を辞め、受験勉強を始めました。

スパッと切り替えたんですね。最初に何をしましたか?

まず、医学部合格者を多数輩出している塾に、週に3回行くようにしました。通っていた高校が進学校で、授業レベルが高く、ついていくのに精一杯だったので、塾は自習室の利用も多かったです。

当時の成績を教えてください。

一学年320人いたんですけど、全体で40番くらいでした。ただ、高校3年生の全国模試で志望校の判定がE判定だったことを考えると、医学部を目指すとなると全然学力は足りていなかったと思います。大晦日のセンター直前トライアルでも83%しか取れなくて、悔しい思いで年を越しました。

センター試験本番はどうだったんですか?

数学が苦手だったんです。最後まで克服できず、本番の数ⅡBはなんと65点でした(笑)。他の教科はなんとか取れて、全体では89%で、センターリサーチでもC判定でしたね。ボーダーには届いていませんでした。このタイミングでずっと目指していた第一志望の大学を諦めることにして、一つ下の国公立大学に照準を絞りました。

2次試験について教えてください。

センター試験を終えて、2次までの期間は人生で一番勉強したと思います。1週間で英語長文を20題、修学の問題を100題近く解いていました。1日の勉強時間は10時間でしたが、燃え尽きて帰宅後倒れてしまうくらい、集中して毎日勉強していましたね。

本番ですが、苦手な数学はあまり解けませんでした。ただそれ以外の教科で挽回できて、合格しました。自分なりに医学部受験について考えた時に、医者は絶対ミスが許されない職業であるため、大学側はミスをしない人を欲していると思ったんです。ですので、ケアレスミスを絶対しないよう対策してきました。数学以外は本当にミスのない回答ができたと思います。

すごいですね。国公立医学部に現役で合格できた一番の秘訣はなんだと思いますか?

「トリアージ」ってご存知ですか? 医療用語で、大事故や災害で多数の患者が出た時に、重症度と緊急度に応じて手当の優先順位をつける手法のことです。「トリアージ」という言葉は大学に入って知ったんですけど、今考えたら私は受験勉強でトリアージをうまく活用できていたと思います。

詳しくお聞かせください

問題集の問題一つ一つに色付きマーカーで線を引くんです。色は自分の理解度に応じて変えました。

(1)一発で解ける(青)
(2)スラスラとはいかないが、なんとなく解ける(緑)
(3)解ける時と解けない時がある(黄)
(4)解けない(赤)

「(1)一発で解ける」の問題には青、「(2)解けない」問題には赤をつけていました。(4)の赤をどれだけ(1)の青にできるかを常に意識していました。それで線を引くことで、どの問題を解けばいいかが視覚的にわかりやすくなりました。受験の終盤には、(3)と(4)をひたすらとくようにしていましたね。勉強して理解が進めば色を付け足す。勉強に指標を加えることで、スムーズに勉強が進みました。

この勉強方法は、「一分間勉強法」という本に色分けについて書かれていて、それを参考にしました。

独自の勉強法を考案されたんですね。合格の瞬間は覚えていますか?

覚えています。朝10時に発表で、家で1人で待機していました。すると、9時58分に電話がかかってきて、出たら電話の相手はフライングで結果を知った父親だったんです。自分の目で合格を見たかったので、電話はすぐに切りました(笑)。そして、10時にホームページにアクセスして、合格を自分の目で確かめました。

正直落ちたかもしれないから来年がんばろうと腹を括っていたので、かなり驚きました。次の日に合格手続きの速達書類が家に届くまでは、合格に半信半疑だったので、大っぴらに「合格した」とは言いませんでした(笑)。自己採点をした時にギリギリ合格最低点いくかいかないかくらいだったんです。入学後得点開示をしたら、本当に合格最低点でした(笑)。でも合格できて本当に良かったです。

他の大学は受けたんですか?

今行っている大学以外は、どこも受けてないです。1年でも早く医者になって貢献したかったので、絶対に現役合格が良かったのですが、私立大学を受けに行くには時間と気力を使うと思ったんです。その分を本命の国公立への勉強に回そうと思っていました。

すごい…。周囲のサポートはどうでしたか?

「スタディプラス」というオンラインの勉強サービス上のSNSで、医学部受験をする人たちと繋がっていました。自分の投稿に「いいね」がついた時は嬉しかったですね。周囲のサポートと言っていいかわからないのですが、見てくれている人がいると知れたので励みになりました。

もちろん、親には1番感謝しています。塾選びや参考書選び、講座選びなど全部任せてくれました。元々私は主体的に決めたい性格で、それを理解した上で私の意思決定を尊重してくれたので嬉しかったです。大学選びはなかなか自分で決めきれなかったのですが、そういう時は適切なアドバイスをくれて、助けになりましたね。

最後に、今の受験生へメッセージをお願いします

たとえギリギリすべりこんだとしても、合格は合格です。最後の最後まで諦めず、どんな形でもいいので、合格を掴み取ってください!