医学部合格ストーリー | 医学部受験ラボ

浪人生活は時間にとらわれず、質の高い勉強を意識することが大切!

作成者: 医学部受験ラボ|2019年08月01日

医学部を目指した時期 / 現役生の勉強法 / 浪人生の勉強法 / 一日のスケジュール / 大手予備校 / 推薦入試の対策

東海圏エリア国公立大学医学部 T.Hさん
一浪を経て合格

今回は、東海圏エリア国公立大学の医学部に一浪を経て合格したT.Hさんにお話を伺いました。高校2年生の冬から、本格的に医学部を目指し始めた彼女。出遅れたこともあり、現役合格はできなかったのですが、浪人時代に「勉強は時間より質」と意識を切り替えたことで、厳しい浪人生活を乗り切れたと言います。現役時代から一浪まで、どのように勉強と向き合い合格できたのか、話を伺いました。

医学部を目指したのはいつごろですか?

医学部受験をしようと決めたのは高校2年生の冬あたりだったと思います。それまでは、特に医学部は意識していなかったのですが、将来は安定性のある「資格が必要な仕事」に就きたいとは考えていました。医学部を目指す人が多い高校だったこともあり、高校3年生になる前に、改めて自分の進む先を考え、医学部を目指そうと決めました。

ですので、1年生のときは英語だけはしっかりと勉強していたのですが、それ以外の科目は特に熱心に勉強はしていなくて、成績もそこまでよくありませんでした。2年生に上がったタイミングで、もう少し頑張ろうかな、と塾にも入り勉強の時間を増やしていったんです。学校の勉強を中心に、英数物化など一通り塾でも受講していましたね。

3年生に上がってからはどのように勉強を?

変わらず、学校の勉強をしっかり取り組んでいました。基礎学力をまずは高めていかなきゃと、授業をしっかり聞いて復習の時間を必ず取っていました。塾は足りない部分を補うという意識で、まずは学校の定期テストでいい成績を残すことを目指していたんです。

その結果、3年生の5月頃の定期テスト以降、校内で30〜50位ぐらいの成績を取れるようになりました。1年生のときは100位に届かないことがほとんどでしたので、学力はかなり上がってきているな、と自信が出てきましたね。

夏休みに入ってからは、レンタル自習室を使って自習を中心に勉強していました。塾の自習室は混んでいたり、少し騒がしかったりしたので、自分にはレンタル自習室が合っていたんです。朝8時くらいから夜11時ぐらいまで、休憩を挟みながらしっかりと時間を取って勉強していました。

その頃は参考書を使って勉強を行なっていました。数学は『大学への数学』(東京出版)、化学は『化学の新演習』(三省堂)、物理は『名門の森』(河合出版)がとても役に立ったことを覚えています。英語は学校や塾の教材を使っていました。それから、時々市販されているセンター試験の問題集にも取り組んで、特に国語は苦手だったこともあり、繰り返し解いていましたね。

自習をする際、どのようなスケジュールで行うか考えていましたか?

月単位の大きな目標と、1日単位の進捗目標を自分なりに立てていました。例えば「今月はこの参考書を一周しよう」という目標を立てて、それをもとにその日1日のスケジュールを考えていたのです。1日のスケジュールの最後の2時間は、その日にあまり進めなかった勉強を補足する時間に当てていました。

秋から冬にかけてはどのように勉強していましたか?

化学と物理が追いつけていないな、という感覚があったので、とにかく苦手分野の勉強に時間を使いました。ただ、やはり高校1年生のときの差を埋めるのも大変だったこともあり…結果的に現役合格はできませんでした。センター試験の成績もあまり良くなく、「一浪も覚悟しないとな」という思いが出てきたのを覚えています。

一浪が決まってからはどのような動きをしましたか?

3月から4月にかけて、1ヶ月ぐらいは何もしないで休みました(笑)。自分なりに勉強は頑張ったという自負があったので、やはり浪人決定はすごくショックで…。頭を切り替えるのに、そのくらい時間がかかったんです。でも、結果的には休んで、気持ちを切り替えられたので良かったかな、と思っています。

その後、予備校を選ぶのですが、場所や講義内容などいろいろ見ているうちに悩んでしまって…。結果的に前期講座が始まって1週間ぐらい過ぎてから、実家に近い大手予備校に通い始めました。

夏期講習が終わるぐらいまでは、現役時代の貯金があったので、土日も休むなどゆったりしたペースで勉強していました。平日は予備校の授業を受けて、19時くらいまで自習する、という毎日でしたね。

そうなんですね。あまり、根詰めてやるタイプではなかったと。

そうですね。まずは自分のペースで勉強するのを大切にしていました。1年間、浪人生活を続けるうえで、そういうペース配分も大事なのかな、と。秋ぐらいからはちょっとずつ、勉強時間を増やしていって、平日は夜21時ぐらいまで勉強していました。土日は、朝から夕方ぐらいまで自習室で勉強して、夜は家で勉強、というサイクルです。

浪人時代で物理、化学がようやく追いついてきたという実感がありました。「こんなこともわかっていなかったのか…」と思うこともあったりしたんですよ。英語数学は現役時代に勉強していたレベルからそこまで変わらなかったと思います。国語は相変わらず苦手で、古文もあまりいい点数は取れていませんでした。こればっかりは、塾の先生からも「頑張るしかない」と言われて、苦手な分、他よりも多く過去問を解くなどの努力をしました。

2回目の受験はどのように行いましたか?

11月ごろに行われた関西エリアの大学で、医学部の推薦入試を受けて、合格できたんですね。10月ぐらいから、自分の学力と照らして、推薦入試を受ける大学を決めて、過去問を解いて対策をしていました。大学にもよりますが、私が受験した大学は評定はいらず、卒業証明書さえあれば自己推薦で入試を受けられたので、比較的低いハードルで受験できたのです。

推薦入試は面接や論文などの対策も大事ですよね。

面接は、ある程度聞かれることが想定できたので、事前に考えをまとめておきました。実際に「医者を目指す理由」や「高校時代に頑張ったこと」などベーシックなことが多かったので、しっかりと自分の考えを伝えられたと思います。

小論文は「基礎研究」をテーマにした論述でした。想定外なテーマだったので、あまりうまく書けなかったなぁという思いもあったのですが、結果的には合格できたので良かったですね。大学にもよると思うのですが、どの試験に比重を置くかは変わってくるので、事前に調べておくといいと思います。

推薦入試を合格したことで、かなり精神的にも楽になれたのは良かったですよね。最終的には、推薦入試を受けた大学とは違う大学に入っていますがその理由は?

推薦入試に合格したことで、二浪はしなくて済むということが秋の段階でわかり、そこからはさらに上のレベルの大学を目指して大学選びと対策を行いました。結果的には、地元とは違うエリアで、新しい世界で生活してみたいという思いもあり、少し離れた東京と東海エリアの大学を中心に受験することにしました。最終的には推薦入試で合格した大学より、1ランク上の大学に合格でき、入学を決めたんです。