医学部合格ストーリー | 医学部受験ラボ

学力だけじゃない! 医学部合格に必要な4つの要素とは?

作成者: 医学部受験ラボ|2019年07月07日

目指す医師像 / 医療問題 / チーム医療 / コミュニケーション能力 / 問題解決能力 / 倫理観 / 社会性 / チームワーク 

1.医師になりたい理由を常に考える

「なぜ医学部に入りたいのですか?」「医学部で何を勉強したいですか?」「将来どんな医師になりたいですか?」

このような質問が、入試では合否を分ける重要なポイントとなっています。なぜ重要かと言うと、常にこれらのことについて考えていれば、受験本番までの長い間モチベーションを維持することができるからです。

医師として仕事をするようになったら、心身共に疲労困憊になることも多々あります。そんな時、「自分が何のために、何をしたくて医師になったのか」という使命感と信念、目的意識を強く持っていれば、厳しい医療現場の中でも自分を見失わずに医師として日々戦うことができるのです。

また、役割分担をしたチーム医療ではコミュニケーション能力は不可欠です。もちろん、患者の気持ちを汲み取った診断を下すためにも、コミュニケーション能力はなくてはならないものです。病気の患者は身体だけでなく、心も弱っていることが多いため、その心までも診ることが必要なのです。ですから、どんな場面でも人を思いやる心を持たなければならないでしょう。

学生に求められるのは「好奇心旺盛で研究熱心であること」、「自ら学んで考える自発的な行動力」です。医療現場は日々進歩しており、人に指示されるのではなく、常に自分から意欲を持って取り組まなければいけません。

また「問題を解決する能力」、「倫理観や社会性」など、医師として患者の命と向き合い、しっかりとした判断を下せる素質を持った人材も求められています。医師は患者の命と向き合う仕事です。あなたの判断で患者の人生が大きく変わるのですから、しっかりした倫理観と社会性を持っていなければ、とんでもないことになってしまいます。医師としての自覚、人の命を預かるという意識を常に持ちましょう。

2. 日本の医療が抱える問題の把握

現在の日本では、医師の絶対数が不足しているだけではなく、地域偏在や勤務医不足、診療科による需給不均等などの問題もあります。医師が比較的多い都市部と地方の医師を合わせた平均が、OECD加盟国の平均を大きく下回っていることから、地方の医師不足がどれほど深刻しているのかが分かります。これを食い止めるべく、各大学は地域医療従事者を増やす目的で、地域枠制度を導入しました。地域枠で入学した生徒は原則として、大学が指定する地域の病院で定められた期間医療活動に当たることになります。

さらに、地域枠奨学金という制度を導入し、卒業後の一定期間を当該地域で勤務することを条件に奨学金の返済免除を行う大学も出てきました。しかし、地域枠で入学して卒業後にその地域に留まったとしても、臨床経験の少ない新人医師がどれだけ地域医療を支えられるのか疑問視する声も上がっています。

また、診療科によって医師不足の深刻さが違うという問題もあります。産科・産婦人科や小児科の医師不足は少子化と密接に関係しているため、特に深刻です。医師臨床研修制度で研修する科が複数になり、自分で科を決定する前にどの科が過酷なのかが実際に分かってしまうため、過酷な現場を希望する学生が減ってきているという現実もあります。

このように多くの問題を抱えているのが日本の医療です。しかし、私たちが生きていく中で、医療制度の充実は早急に行わなければいけない課題でもあります。医学部を目指している皆さんは、今後の医療を担っていく重要な一員なのです。

3. 医療現場の著しい変化を知る

近年は医療の高度化が進んで複雑になり、医師1人では対応しきれなくなったことと、患者が質の高い医療を求めるようになったことにより、チーム医療の考え方はだいぶ広まってきたようです。

これまでの医師主導型では、科が異なると連携を取るのが難しい状態でした。しかし、チーム医療の中でどの科も対等に関わって機能していけば、患者一人ひとりが納得できる医療が実現するのではないでしょうか。

チーム医療先進国のアメリカでは、各専門従事者に「自分と立場の違う相手の話を聞き、互いを尊重するコミュニケーション能力」、「自分の仕事における責任感」、「何を目指しているのかというビジョンと、そのビジョンを達成するための使命感」が要求されます。

今後の医療で、チーム医療という考え方考え方はますます重要になってくると同時に、医師にも前述の3つの資質が求められてくることになります。時代の要求に応えて、大きな病院では患者を社会面・経済面・心理面などの様々な視点から観察し、個人に合った医療を行う総合診療科が増えてきました。総合診療科で発症原因が突き止められると、患者は適切な診療科や医療機関へと引き渡されるので、ここでも医療関係者同士のチームワークが大切になるのです。

4. 社会から求められる医師像とその資質

人間性豊かで愛情に溢れ、患者の立場に立って親身に対応してくれる医師。さらに、求められるものとして経験豊富で世界水準の医学知識と技術を持ち、洞察力が優れている医師が、人々が求める医師像として挙げられます。

人間性豊かで愛情に溢れているという資質は、医師にとって非常に重要です。なぜなら、患者は医師に精神的なサポートを求めてくることがあるからです。病気にかかった患者は弱気で、医師の一言に敏感になり、時には医師に病気と闘う勇気を与えられることもありますが、医師の言葉で深く傷つくこともあります。一度患者を傷つけてしまえば、簡単に取り返しのつくものではありません。

広い知識を持った医師を目指すにせよ、専門性を高めたスペシャリストを目指すにせよ、いずれにしても、医師になるためには医学部に合格しなければ始まりません。医療現場が抱えている問題、社会から求められている医師像を理解し、そこに自らの夢を重ね合わせ、目指す医師像を明確にすることが医学部合格への第一歩であり、医師への第一歩となるのです。しっかりとした強い信念を持って医学部を目指しましょう!