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やみくもに解いてもダメ! 医学部受験で過去問をどう有効活用すればいい?

作成者: 医学部受験ラボ|2019年12月06日

医学部受験 / 過去問

 

過去問演習で問題の傾向を知る

国公立と私立の問題にはもちろん違いはありますが、国公立の問題も大学によって大きな違いがあります。学部関係なく共通の問題が受験に出る大学もありますし、医学部独自の問題が受験に出る大学もあり、まずは夏のうちに自分が受ける可能性のある大学がどのような問題を出すのか、過去問を一回解いて把握しましょう。夏のうちは解けなくても大丈夫です。まずは自分がどのような問題を解けるようになればいいのかというゴールを知りましょう。

また、問題を実際に解いてみるのと同時に、自分の受ける大学の合格最低点を知っておくことをオススメします。夏の時点では、この合格最低点の半分を目指しましょう。例えば正解率が6割の大学だったら、夏の時点では3割解けていれば十分です。残り半分をどう埋めるかを明確にしておき、秋冬の勉強の質を高めましょう。また、特に志望校を決めてないけど、入試問題に触れておきたいという受験生には、千葉大学の過去問を勧めます。比較的問題が優しく、医学部に合格する人は8割点を取ると言われています。自分が何割を取れるかを把握し、目安の8割まで近づける勉強をしてみてください。

秋冬に過去問を使ってシミュレーションを行う3つのポイント

秋と冬も変わらず過去問演習はすべきなのですが、夏の演習の目的が「問題の傾向を知る」であることに対して、秋冬は「実際の受験のシミュレーション」を目的に置きましょう。解く際に守るべき3つのポイントがあります。まず一つは時間を測ること。過去問を解く時は、必ず回答にかかった時間を測りましょう。そして二つ目は、解く順番を決めること。複数回解いてみて、どのような順番で解くのが自分にとってベストかを把握しましょう。そして三つ目は、合格最低点を意識した解答です。配点を把握した上で、どの問題は確実に解いておくべきか、どの問題は捨てるべきかを自分の中で確立しましょう。この三つのポイントを押さえつつ、より本番に近い解き方を過去問演習で何回も試してください。

また、最低でも志望校の過去問は3年分解いておくべきでしょう。最新のものから遡って、複数年解くようにしてください。しかし、2015年に過程が変わり、それ以前の特に理数系の科目は出題形式が変わっているので、いろんな問題に触れ学力を上げるという意味では解いてもいいですが、シミュレーションとしてはオススメしません。

学力を上げるトレーニングのための過去問演習

似たような問題を解く経験を積む意味では、他の大学の過去問を解くのもいいです。国公立志願者でも、私立大学の過去問を解く人もいます。出題形式や頻出の範囲が似ている大学は、国公立や私立に関係せずにあります。例えば、日本医科大学を受ける人は国立の問題を解いてもいいでしょう。私立大を専願で受験する人は、札幌医科大学や京都府立医科大学などの単科大学の過去問を解いてもいいと思います。演習量の確保として、他の大学の過去問を利用することは一つの有効な勉強手段と言えるでしょう。

また、レベルの高い問題を解くために東大や京大の問題を解く場合には注意が必要です。この2つの大学の問題は、予備校の授業などで出てくることが多く、多浪生は見慣れてきている人も多いでしょう。しかし、いざ同じレベルの問題を解こうと思っても、正解に辿り着かない場合が多いです。基礎学力が土台にあって、初めて応用問題に挑戦できます。難しい問題をとにかく解けばいいということではないのです。

過去問対策の失敗例

直前の力試しで過去問を解くのはオススメできません。あくまで過去問とは、問題の傾向を把握し、その後実際のシミュレーションをするためのもの。せっかく解くなら有効活用をしてください。実践のための、過去問です。また、直前に解くことをオススメしない理由はもう一つあります。力不足の状態で、夏に一回過去問を解いて、いい意味で挫折を味わうほうがいいです。なぜ点数が取れないかを早いうちに知ることができ、本番まで半年という比較的時間が残されたタイミングで反省ができます。その反省を活かし、秋冬で取り返しましょう。