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大変だけど座学よりも圧倒的に楽しい実習 医師との交流を通して見えてくる進路

作成者: 医学部受験ラボ|2020年02月26日

先輩との交流 / テスト / バイト / 大学あるある / 実習 / 理想の医師像 / 留学 / 研修 / 遊びに行く場所 / 部活・サークル / 食堂

滋賀医科大学 5年生 K.Nさん
滋賀医科大学 5年生 I.Kさん

今回は、滋賀医科大学に通うK.NさんとI.Kさんの対談企画をお届けします。現在5年生のK.NさんとI.Kさんは同じ陸上競技部に所属しながら、実習とその他の時間の両立に忙しい毎日を送っています。毎日朝早くから始まる実習に、2人はどのような印象を抱いているのでしょうか?部活と実習内容の両方について聞いてみました。

2人とも陸上競技部に所属しているとお聞きしました。陸上は大学に入ってから始めたんですか?

I.Kさん(以下I):そうなんです。私は元々陸上に興味があったので入部しました。それまでは未経験でした。
K.Nさん(以下K):僕は中学1年生から陸上をやっているので、今年で陸上歴11年目ですね。近畿圏で、トイレが綺麗で、陸上ができる大学、という条件に当てはまったからという理由で滋賀医科大学への進学を決めたほど、陸上競技が大好きなんです。
I:Kくんみたいな人は珍しい方ですね。潔癖具合も部活内では有名です(笑)。
K:毎日利用する場所はやっぱり綺麗じゃないと。

大学で賞状をもらうKさん

 

専門種目は何ですか?

I:私は100mと4×100mリレーです。初心者からのスタートでしたが、後輩たちのおかげで全国レベルの大会のリレー種目で3位を取ることができました。
K:僕の専門は100m、200m、幅跳びです。400mも走れるので、「マイルリレー」という4人がそれぞれ400mずつ走るリレーにも出場しています。僕も、このマイルリレーで関西で3位、全国で8位に入り、メダルや賞状を獲得しました。陸上は自分の走った結果が数字として出ますし、相手によって言い訳ができないので、やればやるほど意地になる競技なんです。


全国レベルの大会でメダルを獲得したIさん

 

部全体では経験者の方が多いんですか?

K:ずっと陸上をやっている僕からしてみれば、わざわざ大学に入ってからしんどい陸上を始めるの?という気持ちですが(笑)、実際は経験者の方が少ないです。
I:私にとっては大学まで続けてる方が珍しいよ(笑)。未経験者が多いので入りやすかったですし、先輩も快く受け入れてくれましたね。
K:練習は平日16時半から19時が週2回、あとは土曜10時から13時の合計週3回で、回数としては多い方に入るのかもしれませんが、 部員数は30人くらいなので、初心者で入った人たちが続けやすい環境なんだと思います。僕のように長く続けている人は少ないですし、後輩や同期に教えることは多いですね。僕自身は感覚よりも理屈で考えるタイプなんですが、陸上もまずは考えてから走る方が断然いいので、そういうことをよく後輩たちに話しています。

では、先輩・後輩とは良い関係が築けているんですね。

I:だいぶ良くなりましたね。
K:僕たちが幹部だった時は、先輩たちとの間で意見の相違があったりして。もちろん部活は楽しんではいたんですが、お互いが納得しないことも多かったんですよね。そこは変えたいなと思っていたので、自分たちが上の世代になってからは先輩・後輩の垣根が低くなったと思います。
I:幹部が変わってからも口を挟まないように、好きなようにやったらいいよというスタンスで受け入れていますね。後輩たちが決めたことに従うだけです(笑)。

そろそろ部活の引退の時期ですもんね。

K:僕は部活も6年生までは続けたいですけどね。忙しくないと逆にイライラしてしまう
性格なので…。今もアルバイトを週4回入れてます。
I:こんな人、私の周りにはK君くらいしかいないです(笑)。
K:ちゃんと土日には遊ぶ予定も入れてますけどね。平日は朝から夕方まで実習、放課後は部活やアルバイトといった感じです。陸上部は週3回なので、週1回ジムにも通っています。自分のスケジュールを常に忙しくさせておかないと気が済まないんでしょうね。

「滋賀医科大学あるある」はありますか?

I:2年生で留年しがちです…(笑)。
K:進級に厳しい大学ですね。入学した100人が6年で卒業できる確率を「ストレート卒業率」と言うんですが、70%台となります。
I:テストが多いんですよね。私たちの代と比べると今は減りましたが、当時の一般教養は日本で一番多い単位数で、120もありました。
K:このテストが終わってから専門科目が始まるんですが、レジュメの小さいものまで覚えないといけないので大変でした。
I:追試は1回だけあるんですが、それを落としてしまうと単位が取れていても留年になるので、進級に関してはとてもしっかりとした大学だと思います。
K:良いところは、学長との懇親会が開催されることですね。学長と各学年の代表者が意見交換できる場なんですが、学長と会う機会は普段ないですし、なかなか珍しいイベントなのではと思います。2年生の時に学生課からメールが来て、僕も代表に選ばれました。
I:なかなか他にいないタイプの人だからね(笑)。
K:その時は主に、興味のあった留学について質問しました。その後はスタンフォード大学にプチ海外研修に行ったんですが、海外の研究医の方々は毎日楽しそうに研究していたんですよね。僕のイメージでは、研究医は黙々と作業を続けていると思っていたので、完全に覆されましたね。

大学の周りの環境はどうですか?

K:最寄り駅の周辺にスペインバル、韓国料理、焼肉、お好み焼き、イタリアン、焼き鳥など、一通りの飲食店が揃ってますね。最寄りではこの辺りで飲食しています。中でも、「ととやむらた」がとても美味しいです。ランチの海鮮丼は絶品ですし、夜はいろんな魚料理も出るんです。
I:美味しいよね。私「鉄心」という鉄板料理のお店と、「ろざん」という焼肉のお店がお気に入りです。ただ、遊ぶ場所は少ないので、遊ぶとしたら京都や大阪に行きます。大阪は片道1000円かかるので、頻度は京都よりも少なめですが…。京都は電車に乗って20分で、身近なんですよね。京都駅の近くでご飯を食べたり、バスで河原町まで行って遊ぶというのが鉄板です。
K:一応、ボウリング、ダーツ、カラオケとかのオーソドックスなものも最寄り駅周辺に揃ってはいるんですよね。僕はまだ行ったことがないんですが、ボルダリング施設も近くにあって、お医者さんも含めて周りで結構流行ってますね。趣味用と本格派向けの両方のウォールが設備されているみたいです。
I:滋賀全体で言うと、琵琶湖の「白髭神社」は有名ですね。琵琶湖の中に鳥居があって、最近では映えスポットとして人気なんです。
K:あと「クラブハリエ」と「たねや」は滋賀県民なら全員推しますね。

飲食店が多いようですが、お昼は学食派ですか?外食派ですか?

I:私は学食かお弁当が多いですね。大学内にタリーズがあるので、そこで食べることもあります。以前はお弁当を作って行っていたんですが、実習が始まってからは毎朝早いので、それ以外でお昼を済ませています。
K:僕は原付もありますし、4年生の頃は、外に出てることが多かったです。昼休みは診療科にもよりますが、通常は12時から13時までの1時間休憩ですね。4年生までは急いで外に出てランチに向かってました。

実習が始まってからの学生生活はどうですか?

I:圧倒的に楽しいです。今までと全然違いますね。
K:4年生までは椅子に座って受ける授業だけでしたし、毎日9時から16時まで話を聞き続けるのがしんどく感じる日もありました。その点、実習は動きもありますし、医師の先生と話ながらなので飽きません。
I:「将来こんな風に知識が使えるんだ」というイメージは座学よりも湧きやすいですね。実習では人を相手にして学びますし、指導医がいるので1対1ではないですが、担当の患者さんを持たせてもらったりもしています。

これまでの実習の中で印象に残っている出来事はありますか?

K:僕の最初の実習は眼科だったんですが、白内障の手術スピードが思っていた以上に早かったことに衝撃を受けました。想像ではどんなに短い手術でも1時間、2時間程かかるだろうと思っていたのですが、白内障の手術は10分くらいで終了するんです。
I:それを1日に何件も繰り返すんですよね。1つの手術が終わったら新しいガウンに着替えて、はい次、というような感じで。
K:手術にかかる時間より着替えてる時間の方が長いんじゃないかってくらいです(笑)。職人技ですよね。
I:私は消化器外科に行った時に、医師の先生方が楽しそうにオペを進めていたのが印象に残っています。黙々とやっているイメージだったんですが、実際は音楽を流しながらの作業で、たまに「もっと音楽を大きくして」というやりとりもありました。リラックスすることも大事なんだろうなと思いましたね。

では最後に、これからの進路について教えてください。

I:元々外科医を志望していましたが、出産や子育てもありますし、女医として働くのは大変だと思います。基本的に男性社会で、体育会系だという話は、実際に女医の方からお話を聞かせてもらいました。まだ自分で納得できるキャリアは見つけられていませんが、オペに関われて、かつ家庭とも両立できる麻酔科などの手を動かせる科にも魅力を感じていますね。実習を通して、自分に合っている科を見つけて行くことができればと思います。
K:まだ科はちゃんと決めていないですが、将来的に学位を取りたいと思い始めています。それまでは、臨床医を細々と続けられればと思っていましたが、いろんな先生の話を聞いていると、面白いな、研究をして学位を取るのもありかな、と思うようになりました。研修は大阪で、母校の方が学位を取りやすいそうなので入局は母校でと考えています。その後は、また長期間の留学もしてみたいですね。スタンフォード大学での経験が大きかったので、もう一度海外の現場を覗いて、色々と吸収したいです!