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医学部入試における「数学」の重要性は?

 理系の場合に、最も重要な入試科目と言えば、「英語」や「数学」と答える人は多いと思います。これについては、正にその通りで、長年、受験生を見てきて思うことは、「英語」と「数学」が得意な受験生ほど、現役で医学部に合格する可能性が高いです。
 このよう中、医学部受験において「数学」を試験科目から削除したり、「数学Ⅲ」を出題範囲から除く大学も出てきました。今回は、試験科目としての「数学」についてお伝えします。

 

近年、「数学」に関する試験科目の変更を行った大学

 なんとなく漠然としたイメージとして、医学部入試における数学の出題範囲は「数学ⅠⅡⅢAB」と考えている人が多いと思います。その通りなのですが、一部の大学では「数学Ⅲ」を出題範囲から除いていたり、数学そのものを試験科目から削除している大学があります。(2025年度からは数学Cが加わる)

 ここ2年で考えると、2022年度から昭和大学は一般選抜において、「英語」「理科2科目」「数学ⅠⅡⅢABまたは国語(現代文のみ)」となりました。つまり、「数学」を試験科目から除外することができます。また、東海大学は、2023年度から一般選抜の数学は、「数学Ⅲ」を出題範囲から除くことになり、「数学ⅠⅡAB」が出題範囲になります。

 その他にも以前から帝京大学の試験科目は、「英語」が必須で、「数学」「国語」「理科から2科目」を選択します。「国語」は現代文のみで、「理科」は物理・化学・生物から0~2科目選択できます。「数学」の出題範囲は、数学ⅠⅡABです。例えば、英語、国語、生物など3科目で受験できます。
 近畿大学の「数学」の出題範囲は、帝京大学と同じ数学ⅠⅡABです。金沢医科大学も、後期日程の数学の出題範囲は、数学ⅠⅡABです。

”数学”を避けて受験することの意義は?

 例えば、文系クラスで、高3の途中からどうしても医学部へ行きたいと考える人が少なからず存在します。この場合に、「数学」と「理科」はネックになります。この場合は、「数学」や「数学Ⅲ」を入試科目で課さないで大学を受験すれば、合格の可能性は上がります。

 理系で「数学Ⅲ」を履修している場合でも、数学の負担を減らしたいと考える場合に、上記で述べた大学を受験することで、医学部への合格率をアップさせることは可能です。


 

”数学”を本当に避けても良いか?

 医学部入試に関して"数学"を避けて受験校を選択することは、合格可能性アップという観点から考えると戦略としては有りです。但し、非常に受験校が限られてきます。
 私立大学の場合は、5~8校くらい受験した方が、”どこかの大学”に合格をする確率はかなりアップします。この場合は、「数学」や「数学Ⅲ」が必要な大学も出てきます。
 また、万が一、浪人した場合のことを考えると、医学部を志望した時点で、「数学Ⅲ」まできちんと勉強すると決意した方が良いでしょう。浪人してから、入試で必要とされる数学Ⅲの学力を身に着けることは簡単ではないです。