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新高1から導入された学習指導要領は、どう医学部受験に影響する?

 「学習指導要領」は、ほぼ10年ごとに改定されてきました。これは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。
  2022年4月の高1生から、新しいカリキュラムや教科書を使用した授業が始まりました。例えば、「数学」は、「数学ⅢC」が追加されます。
 これ以外で、医学部に影響を与える可能性について考えてみます。

 

新学習指導要領の特徴は?

 変化が著しい現代社会。グローバル化やコンピュータ、AIなど情報技術の発展などに伴い、世の中が急速に変化しおり、その変化に対応できなければこれからの時代は生き残れなくなりました。
 文科省が発行した「新学習指導要領」のリーフレットの表紙(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1413516.htm)の表紙には、大きな文字で「生きる力 学びの、その先へ」と書かれています。その下に「学校で学んだことが、明日、そして将来につながるように、子供の学びが進化します。新しい学習指導要領、スタート」と記載してあります。この方針は、小学校~高校で共通化されています。
 
  そして、社会に出ても学校で学んだことが生かせるように、「学びに向かう力、人間性など」「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」の3つを育むように、新しい学習指導要領は作成されています。

医学部入試には、新学習指導要領のどこが影響するか?

 本ブログでは何回かに渡って、2021年度から開始された「大学入試改革」についてお伝えしました。「大学入試改革」では、入学試験で合否を決める際に、これまでの「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」に加えて、「主体性」等を加え、この3つを「多面的・総合的に評価」する入試となりました。(みなさnご存知のように、今年の共通テストは、「思考力・判断力・表現力」を中心に出願する方針に変更したために、非常に難化しました。)
 「新学習指導要領」は、上記に記載した通り「学びに向かう力、人間性など」「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」の3つを指針の中心したことがポイントです。
 
 「新学習指導要領」と「大学入試改革」で掲げている3つの指針は、非常に似ている言葉となっています。しかしながら、今回は新たに「新学習指導要領」にも記載されたことが重要で、小学校から高校まで、この3つを育むようにカリキュラムが作成されます。

 ここで、医学部入試に影響する可能性が高いという点では、「学びに向かう力、人間性など」「思考力・判断力・表現力」の2つです。医師は、命を扱う仕事であり、変化する医療の学びは一生涯続き、患者や医療スタッフとのコミュニケーション能力や協調性が必要なためです。

 医学部入試は、全ての大学で面接試験を実施します。加えて、多くの私立大学では、小論文試験も追加されますが、面接試験も小論文試験も、「学びに向かう力、人間性など」「思考力・判断力・表現力」を評価するのにとても適している試験です。
 これまでも医学部入試は、英語や数学、理科などの試験科目で合格点を取っても、面接試験や小論文試験で「主体性」等の評価が悪い場合、不合格となる可能性がありましたが、2021年度からの「大学入試改革」で、以前よりもさらに高くなったと思います。

 また、新学習指導要領が導入された高1からは、「学びに向かう力、人間性など」が加わったことで、学科試験以外の面接試験調査書、活動報告書などが、さらに重視されると思います。高1生は、このあたりのことも考えて、高校生活を送りましょう。
 

 もちろん英語や数学など、各大学が実施する学科試験についても、ますます「思考力・判断力・表現力」を問うようになります。