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大学入試改革と共通テストの「リスニング」

 2021年度から大学入試改革が開始されましたが、共通テストの英語「リスニング」も大きく変りました。どのようになったかと言うと・・・

 

共通テストの英語「リスニング」は変わった!

共通テストセンター試験の「リスニング」違いは、分かり易い点を述べると3つあります。

①配点がアップ
配点が、50点→100点になりました。
これに伴い、大問数は、4題→6題に、総マーク数は、25→37になりました。
試験時間の変更はありません。
ところで、リーディング(読解問題)の配点は、200点→100点に変更されました。

②英語の音声読み上げの回数
センター試験までは、各大問2回ずつ英語の音声が流れていました。共通テストからは、大問3以降は1回のみの読み上げになりました。

③英語音声の読み上げにアメリカ人以外の登場人物
センター試験までは、英語の音声をアメリカ人が読み上げていましたが、共通テストからはイギリス人や非ネイティブの人が登場。2022年度は、日本人らしき人も登場しました。まさにグローバル化を意識しています。

本来、文科省がめざしたのは英語4技能の強化

 日本の英語教育や英語入試で最も重視されていたことは、英語の英文読解力でした。そのために、英単語、英文法・構文などの勉強に、多くの時間を割いた人は多かったと思います。
 グローバル化の中で、英語を苦手とする日本人の英語力を向上させるために必要なことは、英語4技能をバランスよく学習することです。つまり「リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング」の4つを均等に習得することです。会話に必要な「リスニング・スピーキング」は特に重要です。
 本来は、共通テストから、英検などの外部検定試験を使って「スピーキング・ライティング」を評価する予定でしたが、これは諸事情により廃止となりました。その結果、共通テストは「リーディング・リスニング」の2つとなり、共通テストの各々の配点が100点というのも、「4技能をバランスよく学習すること」という当初の文科省の目標があったからでしょう。
 「ライティング」については、各大学が実施する個別試験で評価することができます。




2020年度から、小学3年生の英語(言語活動)が始まりました。5年生からは、科目として通知表での評価対象となりました。

大学ごとに配点比率を変更することに注意!

 上記で、「リーディング(R)」と「リスニング(L)」の配点は各100点とお伝えしました。つまり配点比率は、「1:1」です。この配点比率は、大学側が独自に変更することができます
 2022年度について、その比率は以下の通りです。

 センター試験は、ほぼ全て大学が「4:1」でした。共通テストについては、この円グラフをみると、センター試験と比較すると、共通テストは約60%の大学で「リスニング」の比重が高まりました。
 一番、比重の小さな大学は愛媛大学で、「9:1」です。「リスニング」の比重が「1:1」の大学は、旭川医科大学、北海道大学、札幌医科大学、弘前大学、山形大学、山梨大学、金沢大学、京都府立医科大学、広島大学、九州大学、大分大学、琉球大学の13大学ですが、これらの大学を志望している場合には、共通テストの「リスニング」での失点が大きい場合には、志望校の変更を余儀なくされる可能性があります。

 「リスニング」に苦手意識を持っている人は、早い時期から、毎日、10分ほどは市販のリスニング教材を使った対策を行うことをお勧めします。