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2022年度の医学部入試はどうだったか?[その2]

2022年度入試は全て終了しました。大学入試改革は2年目を迎えました。また、コロナ禍での入試も2年目となりました。

[その1]では、大学入試改革の導入2年目において、「思考力・判断力・表現力」を重視する出題となったことで、共通テストが難化したことをお伝えしました。
今回は、難化した共通テストの「理科」について考えてみます。

 

2年目の『大学入試改革』と「理科」の難易度について

 2年目の「大学入試改革」で、共通テストは「思考力・判断力・表現力」を中心に問題を出題したことで難化しました。理科については、「化学」と「生物」がとても難化しました。
  共通テスト「化学」:57.59点→47.63点 ( - 9.96)
  共通テスト「生物」:72.64点→48.81点 ( - 23.83)
 医学部受験をする場合、理科は2科目選択になります。「化学」は多くの人が選択するため、残り1科目は、「物理」か「生物」を選択することになります。「物理」の平均点は、ここ数年は60点前後で安定しているので、2022年度は「物理」選択者が有利になりました。
 
 もともと大学独自で実施する個別試験は、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する入試問題で構成されています。国公立大学では、2年前まではセンター試験で「知識・技能」を評価することで、’評価’の棲み分けが、ある程度できていました。

 2022年度は、共通テストがとても難化したことで、個別試験との関係性が変わった大学もあります。「化学」や「生物」については、個別試験よりも共通テストの方が難しい大学もでてきました。
 理科は、現役生と浪人生の格差が開きやすい科目であることや、国公立大学の場合は、理系共通問題で出題されるために、一部の大学を除いては難度の高い問題が出題されない傾向があります。旧帝大などの難関大学を除く地方の大学ではこの傾向が強く、共通テストの「理科」の方が難しいという状況が起こりました。このような大学では、共通テストの配点比率が高い場合も多く、共通テストでボーダーラインを下回ると、2次個別試験で逆転合格が難しくなります。



 2020年度入試までは、個別試験の対策をしっかりと行えば、センター試験の「理科」は、試験直前に、豊富に存在するセンター試験の過去問を演習すれば高得点を取れていました。
 今回、この法則が大きく崩れた大学が増加したために、受験する大学によっては、共通テストの対策を別途考えなければならなくなりました。


 

 いくつかの医学部では、試験科目を「物理」「化学」に指定している大学もあります。高校で理科の選択をする場合には注意が必要です。