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今、なぜ医学部人気なのか?

長い間、医学部人気は継続しています。少し前には、’医学部バブル’とまで呼ばれていましたが、これからも’バブル’は弾けそうもありません。なぜ今、医学部がなぜ人気なのかを考えてみます。

 

なぜ今、医学部人気なのか?

 私が予備校業界で仕事を始めたのは、バブル景気の真っただ中であり、団塊ジュニア世代が受験を迎えることで大学進学者が増え続けていた時代でした。当時、私は河合塾に勤務しており、20代は東大・京大クラスや医学部クラスの担任をしていました。この時代、成績上位者は東大や京大か医学部をめざす生徒が多く、ところがバブル崩壊後くらいからは、徐々に医学部志望者の比率が増えてきたように感じます。
 近年、少子化が進んで高校新規卒業見込数も大きく減少しました。その数を見ると1992年は約181万人もいましたが、2022年度は約100万人となりました。少子化が進む中で、一部の難関大学を除いて全入時代を迎えましたが、医学部は易しくなる気配はありません。

 長い間、医学部人気を支えている理由を挙げると、次のようになります。
 
安定した雇用状況と高収入
  ②女子の医学部進学者の増加
 ③東大・京大を始めとする難関大志望者が医学部に志望変更
 ④歯学部の不人気
 ⑤医学部定員増に伴う医師の増加とその子供が医学部を志望

実際には、①~⑤の幾つかが複合的に合わさることで、医学部志望者が増加しています。

  東日本大震災以降、ボランティアなど社会貢献を意識する人が増えているようです。コロナ禍において、日々、マスコミを通じて医療関係者の活動を目にする機会も多く、これは中高生に大きな影響を与えていると思います。テレビ業界も、医療ドラマが高視聴率を取れることから、各社がさまざまな工夫を凝らした番組作りをしています。
 ここ2年のコロナ禍においては、就職氷河期の再来を危惧してか、大学受験の志願者動向は文低理高になっており、その中でも、医療系学部、特に医学部医学科や歯学部、薬学部など資格取得に関係する学部は今まで以上に人気を集めています。
 上記②の「女子の医学部進学者の増加」は、医学部人気に大きく寄与しているので、別の回で取り上げます。