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医療の高度化に対応して 2018年度から新しい専門医制度がスタート
専門医の養成 医学部教育の今

2018/02/15

学会ごとに認定していた制度を
 「日本専門医機構」による認定に一本化

 専門医とはどのような医師なのでしょうか。厚生労働省「専門医の在り方に関する検討会」では「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義しています。『神の手を持つ医師』『スーパードクター』を意味するものではないとも付記していますが、それほど特別な存在ではないにしても、高度な医療を担える医師であることは間違いありません。
 2018年度から、この専門医の認定制度が大幅に変更されます。皆さんが医師になる頃には、新制度のもとで専門医をめざすことになりますから、チェックしておきましょう。
 専門医制度のスタートは、1962年、日本麻酔学会が導入した「日本麻酔指導医制度」までさかのぼります。その後、数多くの医学系学会が追随し、現在では約50の学会が制度を設け、延べ約2万4,000人が認定を受けています。2002年度からは、医療法の改定で、専門医であることを広告できるようになったことから、専門医の取得をめざす医師が増えていきました。
 その一方で、各学会が独自の基準で認定しているため、専門医の質の担保に懸念の声があがるようになり、医療の高度化、専門化に対応するためには、より充実した制度にする必要があるとの機運が生まれたのです。
 そこで厚生労働省では、2011年10月に「専門医の在り方に関する検討会」を設置し、議論を重ね、2013年4月、報告書が公表されました。
 その報告書を踏まえて、2014年5月に設立されたのが一般社団法人「日本専門医機構」です。今後は、同機構が、専門医の認定と、養成プログラムの評価・認定を統一的に担うことになります。これまで学会ごとに異なっていた認定基準が統一化されることによって、専門医の質の向上が期待できるでしょう。

 

認定を受けた病院群で研修を実施
 研修先は大学病院に偏らない方針

 次に、新制度のもとで、専門医になるためには、どのような学びが必要になるのかを見ていきます。
 医学部を卒業し、医師国家試験に合格した医師には、2年間の初期臨床研修が義務づけられています。専門医をめざすには、さらに3年間の研修が要求されます。旧制度でも、3年間の研修が必要でしたが、初期研修医の2年間もそれに加えてよかったため、最短で卒業後3年で取得できたのですが、今後は最低でも5年かかることになります。
 研修が受けられるのは、「日本専門医機構」から、専門医養成プログラムの審査を受け、認定された病院だけですから注意が必要です。
 また、研修先は1カ所だけではありません。基幹病院と地域の協力病院(診療所を含む)が病院群を構成して、ローテート型の養成プログラムを設けることになっています。
 基幹病院というと大学病院がすぐ思い浮かぶでしょうが、新専門医制度の方針には「幅広い疾患の症例の豊富な市中病院を重要な研修拠点とし、大学病院に研修先が偏らないようにする」と明記されています。これは地域からの要請に応えた措置でもあります。
 実は、新専門医制度は当初、2017年度からスタートする予定でした。それが1年延長されたのは、日本医師会と4つの病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)から「日本専門医機構の養成プログラム認定のハードルが高すぎて、地域の基幹病院ですら研修病院になれない可能性が高い。これでは地域の医師偏在を助長する恐れがある」と指摘されたのです。そこで、厚生労働省では2017年4月、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を設置。再度議論を重ねた結果、養成プログラムの認定に際して、自治体、医師会、大学、病院団体などで構成される各都道府県協議会と、事前に協議し、研修先が大学病院に偏らないようにすることになったわけです。
 すでに養成プログラムの認可申請が始まっていますが、おそらく大学病院だけでなく、地域の総合病院などでも研修できる形になると考えられます。
 

基本領域とサブスペシャリティ領域の
 2段階方式でステップアップを図る

 なお、専門医は◆資料の通り、19の基本領域と29のサブスペシャリティ領域の2段階制になっています。基本領域は内科、外科など、大きな診療科のくくりであり、サブスペシャリティ領域は集中治療、がん、感染症など、より細分化されたものになっています。
 まず取得できるのは基本領域の専門医です。養成プログラムに従って、3年間の研修で規定の症例を経験し、病歴要約を提出し、学会発表や講習会の受講などの条件を満たして、ようやく筆記試験の受験資格が得られます。その筆記試験に合格すれば専門医として認められます。
 細分化されたサブスペシャリティ領域の専門医になるためには、基本領域専門医になった後、さらに3年間の研修が求められます。2段階方式でステップアップを図ることによって、高度な専門性を備えた医師が育成できるはずです。なお、サブスペシャリティ領域専門医の受験資格になる症例経験の一部は、基本領域専門医の養成プログラムで経験したことを代替することもできます。
 もう1つ、注目しておきたいのは、基本領域の中に総合診療科が含まれていることです。かかりつけ医として地域医療を支える医師の専門性も高めるべきだという指摘が出てきたからです。領域別専門医が「深さ」を追求するのに対して、総合診療専門医は「扱う問題の広さと多様性」に対応できる能力を養成するところに特色があります。「地域を診る医師」の視点を重視して、他の領域別専門医や他職種と連携して、多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供できる医師が育つことが望まれます。
 

専門医にはいくつかのメリットがあるが
 大切なのは高度な専門性を身につける喜び

 ところで、「日本専門医機構」では、重要な方針として「専門医はすべての医師が取得しなければならないものではなく、自発的な自己研鑽として位置づけられるものであり、実質上義務づけられるものではない」という立場を明確にしています。これは、すべての医師が専門医になると、専門外の診療を敬遠する傾向が生まれ、多くの診療科を整備できない中小病院の診療が困難になるとの指摘を踏まえたものです。もちろん、専門医になったプライドの高さのあまり、患者本位の診療を怠るようでは困りますが、これはそれぞれの専門医が意識の持ちようによってクリアできる問題でもあります。
 いずれにしても、新制度によって、専門医取得までの道筋が明確になったことで、今後は専門医をめざす医師が増加することは確実です。
 専門医になれば、いくつかのメリットがあります。たとえば、勤務医の場合は、採用条件に専門医であることが求められるケースがあるようです。また、今後は、「日本専門医機構」から認定された専門医だけが、専門医であることを広告できる仕組みになります。さらに、これまでは専門医であっても、原則として診療報酬に変わりはなかったのですが、専門医が公の資格として一般に認知され、評価されるようになれば、今後はその部分も実質的に変わっていく可能性もあるかもしれません。
 そうしたメリットがあること以上に大切なのは、自分の知識・技術をブラッシュアップして、高度な専門性を身につける喜びが感じられることです。将来、医師をめざす皆さんには、そうした高い志を持ってほしいと思います。


参考データ

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