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バラエティーに富んだ内容の初年次教育改革が進行中
初年次教育 医学部教育の今

2017/12/15

早期医療体験実習、学びのスキル強化、
 高校内容の補習などの導入が目立つ

 近年、ほとんどの医学部で初年次教育の改革が進行しています。右に掲げたのは、一般社団法人「全国医学部長病院長会議」が刊行した「平成25年度医学教育カリキュラムの現状」から、「特別な初年次教育カリキュラムの導入校数」をまとめたものです。すでに平成25年度時点で、全80校中73校(91.3%)で、特別な初年次教育が実施されていることが分かります。
 その内容は、大きく3つの潮流に分かれます。第一は、医学部に入学した実感を得られる科目を設置し、学びのモチベーションを高める動きです。
 かつては医学部に入学しても、1年次の間は、「医学入門」「医学概論」のような医学の導入的な科目はいくつか開講されているものの、授業の中心は教養科目と語学科目でした。教養科目は、自然科学、生命科学関連だけでなく、人文科学や社会科学の科目も含まれ、あまり関心を持つことができない学生も見られました。
 ただし、自然科学、生命科学の教養科目は、相応にレベルが高く、数学は「統計解析への数学」「医学統計学」、物理学は「医学物理」「人体物理学」、化学は「ライフサイエンスのための化学」「生体化学」、生物学は「細胞生物学」「分子生物学」といったように、できるだけ医学と関連づけて学べる工夫が凝らされているのが一般的でした。それでも、高校の数学、物理、化学、生物の授業を発展させた内容であることは確かで、学生からは「医学部に入学した手応えが感じられない」という声が聞かれたのです。
 もちろん、従来型の初年次教育を必ずしも否定するわけではありません。数学、物理、化学、生物に関しては、最低限の基礎を固めておかなければ、専門教育に進んだときに支障をきたします。人文科学、社会科学の教養も、視野を広げ、医師としての人間性を高める上で重要です。グローバル化が進む中で、語学力も不可欠になっています。そうした大切な部分はしっかり習得させつつ、学生の学びのモチベーションを低下させないようにすることが、近年の初年次教育改革の流れになっています。
 その一環として、最も導入校が多いのが「アーリー・エクスポージャー」とも呼ばれる「医療体験実習・奉仕活動」で、63校で導入されています。1年次に、数週間程度、医療現場を見学するというものです。実習先は病院が中心ですが、最近では看護・介護の体験や、老人福祉施設、ホスピス、重症心身障害児施設など、より多様な医療現場に触れさせるように努めるケースが増えています。早い段階から医療現場の実態を知ることによって、医師をめざす自覚を育み、その後の学びのモチベーションを高めることが目的です。
 第二は、大学ならではの学びのスキルを身に付けさせるプログラムです。かつては論文の読み方、書き方や、資料の検索方法などが主でしたが、周知の通り、チーム医療やインフォームドコンセントなどが当たり前になっていることから、今後の医師にはコミュニケーション、プレゼンテーションの力も求められます。1年次からそのスキルの向上に特化した授業を開講する医学部が目立っています。
 第三は、リメディアル教育(補習)の拡充です。高校の教育課程で科目選択の幅が広がっていることから、一部の科目を高校で履修しないままで大学に入学するケースが増えています。とりわけ物理や生物の未履修が多いのですが、それでは医学部の高度な学びには対応できません。また、たとえ履修はしていても、入試で選択しなかった科目については、十分な実力が備わっていない場合もあるでしょう。それを独学で克服するのはなかなか困難です。そこで、高校の内容をやり直す科目をカリキュラムに組み込む医学部が増えてきたわけで、平成25年度で23校に上っています。
 医学部の学生は、自分の学力に自信を持っており、補習を受けなくても、独学で通常の授業についていけると考えがちかもしれません。けれども、その後の学びの基礎となる重要な分野ですから、プライドを捨てて、謙虚に補習などにも取り組む姿勢が必要だと思われます。

 

獨協医科大学の「地域医療早期体験実習」
 群馬大学の「学びのリテラシー」

 各医学部でどのような初年次教育が行われているのか、いくつかの事例を紹介します。
 獨協医科大学では、1年次の7月に約1週間の「コミュニティヘルスインターンシップ(地域医療早期体験実習)」を実施しています。大学病院で院内中央部門などの配属実習を受けるほか、院内感染に関する講義・実習、救急蘇生実習などが組み込まれています。2日間は精神科病院、福祉施設など、学外でも実習し、業務の1日の流れを理解します。患者やその家族に接する機会もあり、相手の心を理解し、信頼関係を築く心構えを育んでいます。
 また、看護学部と合同で、KJ法(川喜田二郎氏が考案した、グループごとにカードにデータを記述し、図解して考えをまとめる共同作業法)に基づいた「グループ別討議・発表会」も行われ、コミュニケーション、プレゼンテーションの力を高めています。そのほか、「基礎科学(物理・生物・化学)」が開講されており、高校で履修していない学生を対象に、基礎的な内容から講義しています。
 群馬大学医学部は、大学で学ぶ上でのスキル、リテラシーを高める科目がとても充実しています。「学びのリテラシー(1)」では、各自が選んだテーマについて、情報を集め、吟味し、他の学生と議論することによって多様なものの見方に出会い、さらに得た情報を体系化して自らの考えを確立するというプロセスを体験します。これらを通じて、論理的思考力やコミュニケーション力の重要性を理解させることが目標です。
 「学びのリテラシー(2)」は、少人数制のゼミ形式の授業です。担当教員が専門としている分野を中心に、課題の見つけ方、分析の仕方、発表の方法、文章のまとめ方など、6年間の学びにおいて求められる基本的な方法を習得します。思考力、判断力、表現力の大幅な向上が期待できます。また、1年次から、附属病院での病棟実習や、地域の老人保健施設における介護実習なども組み込まれています。

 

岩手医科大学、東海大学、金沢医科大学の例

 岩手医科大学は、1年次から現場体験の機会が豊富です。「医療体験実習」では、学生は2~5名のグループに分かれて、県内外の病院に派遣され、医師につきながら、2日間の実習を行います。
 「地域医療見学研修」は、数名の学生グループで地域医療の課題を見出し、その実状を把握するために、必要な調査対象に学生たち自らがアポイントをとり、インタビューを行い、成果を発表します。現場の雰囲気を知るだけでなく、コミュニケーション力、プレゼンテーション力も高められる内容になるように配慮されています。そのほか、附属病院と地域病院で看護実習を、地域介護施設で介護実習を、各1週間実施しています。
 東海大学医学部では、「人間関係学」というユニークな科目を設けています。話し方講座や接遇研修などが中心です。患者の話を聞く機会や、医療最前線で働く医師の心構えや基本的姿勢などの体験談を聞く機会も用意されています。福祉施設での実習も行われ、利用者や施設関係者とコミュニケーションを図る中で、福祉の現状を把握しています。また、「医学入門」では、提示されたテーマに基づいて、グループで調査する課題を設定し、協力して課題解決を図り、プレゼンテーションを行います。
 金沢医科大学では、1年次に「医療福祉体験実習(介護体験)」と「看護体験実習(多職種連携)」が実施されます。医師以外の仕事を知ることで、医療に対する見方、考え方の幅を広げることをめざしています。「生命の科学Ⅰ」では、物理、化学、生物のうち、入試で選択しなかった科目についてのリメディアル教育を行っています。「アカデミックスキルズ」は、大学の学びに必要な資料収集、議論、レポート作成、発表などの方法論を徹底的に鍛える科目です。
 このように、医学部の初年次教育はかなりバラエティーに富んだ内容になっています。積極的に取り組むことで、学びのモチベーションを高めることができるはずです。
 


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