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GPA制度を導入する大学が増加 入学後の成績がより重要に 医学部教育の今

2015/11/15

2013年度段階で、全大学の72%が厳格なGPA制度を導入

 これまで日本の大学は「入学の厳しさに比べると、卒業は楽にできる」と批判されることがよくありました。グローバル化が進行し、海外の人々と協力して仕事をするケースが増える中で、このままでは日本の大学卒業者の質に対する信頼が失墜してしまう恐れがあります。そこで、2008年12月の中央教育審議会の答申「学士課程教育の構築に向けて」で提言されたのが、明確な成績評価基準を策定し、単位認定、卒業認定を厳格にすること。つまり、簡単には卒業できない制度にすることです。

 この答申を受けて、厳格で客観的な成績評価を行う大学が増えています。文部科学省の調査によると、GPAと呼ばれる成績評価制度を導入する大学は、2008年度330大学(46%)→2013年度528大学(72%)と急増しています<資料1>。
 もっとも、医学部の場合は、これまでも「楽に卒業できる」わけではありませんでした。たくさんの必修科目の単位を取得できなければ進級できませんし、4年次にはCBTとOSCEという共用試験が課され、一定の基準以上の成績を収めなければ臨床実習に進めません。最後には卒業試験があり、さらに卒業しても医師国家試験に合格する必要があります。こうして医師の質保証が担保されてきたわけです。
 けれども、その医学部でも、千葉大学医学部が2004年度に導入したのをはじめとして、2007年度九州大学医学部、2008年度山梨大学医学部、2013年度筑波大学医学類、2014年度大阪大学医学部など、GPA制度を導入する動きが活発化しています。まだ取り入れていない医学部でも検討を重ねており、近い将来、ほとんどの医学部で導入される可能性が高いでしょう。
 その背景には、日本の医学部が世界水準の教育システムへの転換を迫られているという事情もあります。日本人医師がアメリカで医療を行う場合、「ECFMG」という試験に合格する必要がありますが、2023年までに「世界医学教育連盟グローバルスタンダード」に基づく国際外部評価を受けていない医学部の出身者は、この試験の受験資格が与えられないことになったのです。現在、ほとんどの日本の医学部が国際外部評価に向けて準備を進めていますが、グローバルスタンダードを満たすためには、GPAの導入をはじめとする成績評価の厳格化と、それに伴う卒業生の質保証は、必ずクリアしなければならない基本的な項目の1つになっているのです。

GPAとは履修した科目の成績の平均値を示したもの

 では、GPAとはどのような制度なのでしょうか。GPAは「グレード・ポイント・アベレージ」の略で、アメリカの大学では古くから成績評価に用いられてきました。大学の成績は、100~90点が秀(またはS)、89~80点が優(A)、79~70点が良(B)、69~60点が可(C)、59点以下が不可(D)と、4段階で評価されるのが一般的です。不可(D)はいわゆる不合格で、必修科目の場合は再履修が必要になります。この4段階の成績に、秀(S)=4点、優(A)=3点、良(B)=2点、可(C)=1点、不可(D)=0点のポイントを付与し、その合計ポイントを履修科目数で割ったものがGPAです。つまり、履修した科目の成績の平均と考えればいいでしょう。
 付与するポイントは大学によって違いがあり、<資料2>の千葉大学医学部の例が一般的ですが、<資料3>に示した山梨大学医学部のように、より細かな基準を設定しているところも見られます。
 また、不可(D)の扱いも、大学によって異なります。文部科学省の調査によると、2012年度で、GPAの算出の際に、不可(D)の科目を含めている大学は63.2%、含めていない大学は36.8%でした。含めている大学の場合は、不可(D)は0点とカウントされますから、GPAが大幅に下がってしまう危険性があります。不可(D)になった科目の中には、興味が持てなかったり、自分に合わないと感じたりといった理由で、途中で履修をやめた科目もあるはずです。それが成績評価に跳ね返ることは絶対に避けるべきで、GPAに不可(D)を含める大学に入学した場合は、履修登録の際に、科目の内容を十分に吟味して、最後まで受講し続ける覚悟を決めてから登録するなど、気をつけることが大切になります。
 

進級基準、留学選考、面談の資料など幅広く活用されるGPA

 というのも、これからの医学部の学生には、GPAを高める努力が要求される局面が増えてくるからです。
 GPA導入の最大の目的は、「学期ごとのGPAと、入学時からのGPA(通算GPA)を算出し、成績証明書および修得単位通知書に記載。学生はその変化を見て、その時々の学業成績の状況を把握できる。同時に、GPAと、シラバスに書かれている授業の目標を組み合わせて見ることで、授業の目標に到達できたかどうか、学習の成果を判断することもできる。シラバスを積極的に活用しながら学習の目標を意識し、GPAでその成果を客観的につかんで、次に自分に必要な学習は何かを探る、主体的な学習者となるためにGPAを役立ててほしい」(山梨大学医学部のホームページより)といったように、日々の学びの充実に活用することです。
 それに加えて、よりシビアな場面でGPAが影響する大学も見られます。
 たとえば、金沢医科大学では、「GPA2.0以上」を進級基準の1つに設定しています。必修科目をすべてクリアしているだけでは不十分で、一定以上の成績を収めていなければ進級できないわけです。
 奨学金の対象者選定に活用する大学もあります。たとえば佐賀大学医学部では、入試の成績トップの学生に奨学金を給付していますが、入学後、すべての学年でGPAが上位10%以内でなければ支給が打ち切られます。一方で、各学年のGPAトップの学生は奨学金の追加採用者になります。
 また、近年、グローバル化を意識して、在学中に海外への留学を希望する医学生が増えています。そのニーズに応えて、医学部でも留学制度の充実が図られていますが、2014年度から、オーストラリアのボンド大学(健康科学・医学部を擁する総合大学)と協定を結び、交換・派遣留学制度をスタートさせた近畿大学医学部では、GPA2.5以上を留学の応募条件にしています。
 さらに、当然のことながら、大学院への進学を希望する場合は、高いGPAが要求されます。海外の大学院への進学をめざす場合はなおさらで、一般的に3.0以上が必要とされています。外国人が日本の大学院医学研究科に入学を希望する場合も同様で、名古屋大学大学院博士課程は3.0以上、大阪大学大学院博士課程は3.5以上が応募資格になっています。
 そのほか、最近の医学部はきめ細かな面倒見の良さを心がけるところが増えており、年数回、教員と学生の面談を実施する大学も見られます。GPAはその際の資料にも使われています。名古屋市立大学医学部では、2014年度後期から、GPAの低い学生に対して、個別学修指導を課す制度がスタートしています。
 医師国家試験に合格できればいい。成績は二の次と軽く考えずに、GPAを高めるように、日々の授業に真剣に臨むことが、これまで以上に重要になっているといえるでしょう。
 

 


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