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グローバルに活躍する医師を育成するために、すべての医学部で国際外部評価が不可欠に
国際外部評価 医学部教育の今

2013/11/15

2023年までに認証評価を受けなければアメリカでの医療行為は不可能になる

 2010年9月、日本の医学部にとってショッキングなニュースが報道されました。
 アメリカには、アメリカ・カナダ以外の国の医学部出身者が、アメリカで医療行為を行う場合の資格を審査する機関として、ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)が設けられています。日本の医学部を卒業した医師が、アメリカで医療を行う場合は、ECFMGに申請し、試験に合格する必要があります。ところが、そのECFMGから「2023年以降は、国際的な認証評価を受けていない医学部の出身者には申請資格を与えない」という通達が出されたのです。
 ECFMGが想定している国際的な認証評価とは、世界医学教育連盟(WFME=World Federation for Medical Education)が実施する認証評価です。すでに世界医学教育連盟では、世界のどの国の医学部を卒業しても、他のすべての国で医療に携わることができるようにするために、各国の医学部教育の質保証を求める方針を打ち出し、「世界医学教育連盟グローバルスタンダード」を公表し、それに基づく認証評価を行っています。
 この通達は、とりわけ日本の医学部関係者に大きな衝撃を与えました。それには理由があります。約10年前から、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダなどの欧米諸国だけでなく、韓国、中国、フィリピン、マレーシア、タイ、オーストラリアなどのアジア諸国においても、世界医学教育連盟の認証評価を受けるのが当たり前のような状況になっています。その一方で、日本では認証評価というと、大学評価学位授与機構、大学基準協会、高等教育評価機構など、国内の機関によるものだけでした。しかも、それは「大学トータル」の認証評価であり、医学に特化した「分野別」の評価ではありません。それではECFMGから国際的な認証評価を受けていると判断されない可能性が高く、日本の医学部出身者のグローバルな活躍を阻害してしまう恐れが出てきたのです。
 

日本医学教育学会が「日本版」を策定日本医学教育認証評価評議会が発足

 ECFMGの通達を受けて、現在、多様な対応策が進行しています。
 まず、全国医学部長病院長会議が、2011年に発足させたのが「医学教育の質保証検討委員会」です。次いで2012年度には、文部科学省大学改革推進委託事業に「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」が採択され、東京大学、千葉大学、新潟大学、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学の5校が連携して、認証評価の研究をスタートさせています。
 そうした検討を進める中で、さまざまな課題が浮上してきました。とくに大きいのが日本とアメリカの教育制度の違いです。アメリカは大学を卒業後、メディカルスクールに入学します。医学教育はいわば大学院段階で行われているわけで、学部段階で実施される日本の教育レベルを同一基準で評価されると不利が生じます。そこで、日本医学教育学会では、日本の医学部の教育内容の実状に合った「日本版グローバルスタンダード」を策定しました。
 また、おそらく2023年度までに、日本のすべての医学部が国際外部評価を受けることを希望するでしょうが、全部を世界医学教育連盟に依頼するのは物理的に困難です。この課題を解決するために、日本医学教育学会や全国医学部長病院長会議などが協力して、「日本医学教育認証評価評議会」(JACME=Japan Accreditation Council for Medical Education)を発足させ、世界医学教育連盟に認可された認証評価機関にしていく予定です。認可されれば、JACMEの認証評価を受けることによって、ECFMGの試験が受験できるようになるわけです。
 

2012年秋、日本の医学部で初めて東京女子医科大学が国際外部評価に挑戦

 こうした動きを受けて、早くも積極的な取り組みを見せている大学もあります。
 2012年秋、東京女子医科大学は、日本の医学部で初めて、世界医学教育連盟の西太平洋地区支部による国際外部評価を実施しました。10月30日から11月2日までの4日間、韓国、オーストラリア(2名)、アメリカ、マレーシア、日本から6名の専門家の評価者が来学しました。同大学のホームページによると、まず詳細な自己点検結果を冊子で提示し、プレゼンテーションが行われた後、質疑応答・討論、授業や施設・設備の見学などが実施されました。その間、担当教職員や学生へのインタビューも適宜行われ、緊張感に満ちた4日間になったようです。
 この際、評価された項目は「医科大学の使命と目標」「教育プログラム」「学生評価」「学生」「教員」「教育資源」「プログラム/カリキュラム評価」「統括および管理運営」「継続的改良」の9領域の36項目です。
 項目ごとに「基本的水準」「質的向上のための水準」の2つの区分があり、それぞれ「適合」「部分的適合」「不適合」の3段階で評価されます。
 東京女子医科大学は、「基本的水準」では、「部分的不適合」が1つあっただけで、残りはすべて「適合」と、高く評価されています。その一方で「質的向上のための水準」では7項目で「部分的適合」、2項目で「不適合」と評価されており、今後の課題といえます。なお、「部分的不適合」「不適合」と評価された項目については、評価を受けた後で、どのように改善していくのか「アクションプラン」を作成することが義務づけられています。
 このように東京女子医科大学が高く評価されたのは、日本の医学部で初めて、テュートリアル教育や、臓器別・機能別専門教育を導入するなど、教育改革に積極的な大学であることも大きかったと思われます。2011年度にもカリキュラム改革を実施し、「MDプログラム」という新たなプログラムを導入しています。たとえば、6年間を通して「人間関係教育」という授業を実施するほか、チーム医療を意識して、看護学部の学生と連携して進める授業も増えています。とくに、卒業までに身につけるべき到達目標と、それを達成するために学年ごとに何を学ぶ必要があるのかを明示した「アウトカム・ロードマップ」を作成していることが高評価につながったとのことです。
 今後は、他大学でも国際外部評価を受ける動きが活発化することは確実ですから、ぜひ注目しておくようにしましょう。
 
「世界医学教育連盟グローバルスタンダード」の評価項目

1.医科大学の使命と目標
 ①使命と目標の開示 ②使命と目標策定への参画 ③大学の自律性 ④教育成果

2.教育プログラム
 ①カリキュラムと教育方略 ②科学的方法 ③基礎医科学 ④行動及び社会科学と医療倫理 ⑤臨床医学と技能 ⑥カリキュラム構造、構成と教育期間 ⑦プログラム管理 ⑧実践医療と保健制度の連携

3.学生評価
 ①評価方法 ②評価と学習との連関

4.学生
 ①入学方針と入学選抜 ②学生の受け入れ ③学生支援とカウンセリング ④学生の教育への参画

5.教員
 ①任用方針 ②教員に関する指針

6.教育資源
 ①施設・設備 ②臨床訓練のための資源 ③情報通信技術 ④研究 ⑤教育の専門的立場 ⑥教育の交流

7.プログラム/カリキュラム評価
 ①プログラム/カリキュラム評価機構  ②教員と学生からのフィードバック ③学生の実績・成績 ④教育の協働者の参画

8.統括及び管理運営
 ①統括 ②教学の先導(リーダーシップ) ③教育予算と資源配分 ④管理職と運営 ⑤保健医療機関との交流

9.継続的改良

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